ふたり
葉月京
昼はあくび
ベンチに腰掛けて
青空について考える
「もともと誰のものでもないの」
日が顔にあたると
猫のように目をつむる君
ついとうしろを向いて
小さな背中を温めている
愛しいと思うのは
例えばこんな時だ
君の編んだマフラーの
不揃いの目の方をコートにうめる
僕のための君の努力
しばらく誰にも教えたくない
君が照れるから
手はつながない
僕が嬉しいから
腕を組んで歩こう