声
千里圭
君の言葉が届くように
西側の窓を開けて眠る
その硬質な光によって
人々が何かに気がつくように
祈ってはため息をつく
私には
君の苦しみは理解できなかった
当然
君と悩みを分かち合えるはずもない
でも
君の言葉はわからなくても
見えない色は確かに見えたんだ
−例えば
虹の外側にある空にとけ込んでいく光−
今日も西側の窓を開けて眠る
せめて
君の言葉がここに届くように