海
朱華
うまれた海には、砂の浜辺がありません。
コンクリートで固めた堤防。
ギラギラと虹色にひかる廃油の水面。
空き缶、ビニール、スチロール。
漂流れ着く猫の死骸。
それでも魚は、そこで暮らし・・・、
それでもわたしは、そこで生まれ・・・、
それでもわたしは、そんな海が忘れられない。
わかって下さいますか。