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冬月

日下真魚


蒼く冷たい

  電光を放つ外灯が

    どこまでも連なる冬の夜道で

虫のような

  白い吐息を洩らし

    自転車を滑らせているキミを

薄っぺらいお月様が

  微笑して攫おうとするから

    決して油断してはダメだよ


怪しい光に惑わされ

  溺れたり沈んだり

    押し潰されたりしてはダメだよ


ましてや

  からっぽの瞳に

    水を湛えたりしてはいけないよ

零れ落ちた

  抱えきれない悲しみに誘われ

    冬月が ホラ舌を伸ばしてる



作者紹介/日下真魚。最近、悲しい詩ばかり書いてます。(笑)それが心地よかったりする悲しい恋の季節です。