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ほのか

猫目石


今日は眠れなくて

一晩中白んでいく空を見ていた

新聞配達の自転車

増えていく車

カーテンの隙間から見ていた


部屋が段々とほのかになり

壁や本棚や鏡や僕の境界線が浮き出してくる

両手を動かして

僕は僕の輪郭を知る


黒い寒天から立ち上がる上澄みの

ほのかな灯かりは段々に

空は青ざめて静かな生き物のように侵入する

僕の背骨に


今日は眠れなくて

僕はその生き物のようすをじっと見つめている



作者紹介/猫目石。路上で自分の書いた童話をお客の言い値で売っている女の子に会いました。何だかいいな、と思いました。とても素敵な物語でした。私も童話も書いてます。