詩人達の部屋

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詩人と天使のことなど

びにいる


彼は「ぼくらには奇跡を待つしか

 他にできることもないんだね・・・」

と何度も何度も

ボソボソ言って

定期入れに隠し持ってた紙切れを

舌の上に運んだ


きっと彼は

この東京の雑踏の中から

私を見つけだした奇跡や

私が彼を見つけだした奇跡には

まるで目を向けていないんだ

私は彼の腕にしがみついた

私は彼の腕にしがみついた

いつだって彼は

私を置き去りにして

逃げてしまう

いつだって彼は

一人閉じこもってしまう


「アイシテルワ」と何度も何度も

耳もとで囁いて

何度も何度も耳もとにキスを試みたが

ここ(彼)はもぬけの殻だ


「奇跡が家の白い壁を這い出して

三丁目交番の落書きに命令を

出す頃には

ボクは・・・ボクらは あの海を

渡るでしょうか?

渡ってしまうでしょうね・・

ハハハッ 何もおかしくないや

ほら また あそこのバカが

溶け出してアスファルトの隙間から

こぼれ落ちてしまうよ

まぶしいな ちょっとまぶしいよ

ハナ・・・ちょっと そこのダリアどかしてくれないか

まぶしくて仕方ないよ

神様でも降り出しそうだよ・・・・」


私は彼をアイシテイル 私は彼が必要だ

彼は私をアイシテイルのだろうか

彼は私を必要なのだろうか


私は彼の腕に絡まったまま

紙切れをそっと舌の上に置いて

目を閉じてみた

いつだって彼は私を置き去りにして

逃げてしまう

いつだって彼は

一人閉じこもってしまう


きっと私たちを幸せに運んでくれる糸は

路地裏あたりで銀色の子猫が

じゃれついていて

絡まったままなんだろうなあ〜



作者紹介/びにいる。フリーター卒業します。就職活動中です。あうあう、だらだら〜 つ〜か〜れ〜た〜