夜 Y
ちの
ろうそくの火が消える
瞬間に
闇の明かりが 燈る
雨音に 瞳 閉じれば
交差する 記憶の影
何を思い出しているのか
何も思い出していやしないのか
曖昧に溶け合って
やがて 溶け合って
けれどそれで
いいのだと 思える
夜が あたたかで
風が 懐かしくて
思い切り 手を伸ばせば
失くしたもの すべて
取り戻せる
そんな
気が した