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雨粒

霧河綾音


無意識に手のひらを

空に向けて差し出す


ミエナイカタチに感じる冷たさ


とてもとても小さな粒

手のひらに落ちた瞬間


意識はそれに集中される


だけどゆっくり

静かにすばやく


意識の底へと馴染んでいく


たくさんの粒が手のひらに溢れる


ゆっくり……静かに……


粒は水滴になって優しく私を覆う


ねえ 今思ったの


雨と貴方は似ているわ


しばらくの間は気にとめもしなかったのに

いつのまにか 私の心の中を満たしているの


あのとき泣きながら空を見ていた

ずぶ濡れの私をいたわるようにそっと静かに引いた手


それは

不思議な存在感で私に触れる

雨粒によく似た貴方の愛情のような気がする



作者紹介/霧河綾音。みなさんの作品に触発されて衝動的に書いた感が消えな〜い(汗)とゆかへぼへぼ初心者な私です(謎)