詩人達の部屋

詩人ギルド

リンク

作者へメール


ガリバーの国

sora


見上げると倒れかかりそうなビルに囲まれていた

彼方に四角く切り取られた空が覗く

きっとここには巨人が住んでいるんだろう


色々な国の国旗はためくビルの前にも

人間なら三人かかっても引き金を引けそうにない程

大きなピストルが置いてあった

どんな怪人がやったのか

銃身が一結びしてあったから

誰かを殺す役には立たないものだろうが

何のために置いてあるのだろう

きっと戦う事がきらいなのだろうね


そびえ立つビルの一つに上ってみた

旅半ばの海原を行く船

たどりつくべき場所はあるのか

陽沈む果てを目指し進む 進む


だけどこの巨人の国で

巨人を見る事はついになかった

大きなからだ何処に隠しているのだか

そのかわりにアリンコみたいに動き回る

人間というものは沢山いて

あちこちで血を流したり物乞いしたり

騙したりに忙しい


きっとこんな人間達に嫌けがさして

何処か別の遠い所へ

行ってしまったのかも知れないね



作者紹介/sora。DTPの仕事(自営)の合間に詩を書いていますが、今は暇なので詩作の合間に仕事してます。既婚、子供は一人です。パソコンに向い過ぎてひどい乱視になりました。パートナーは写真家です。