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ガリバーの国 sora 見上げると倒れかかりそうなビルに囲まれていた 彼方に四角く切り取られた空が覗く きっとここには巨人が住んでいるんだろう 色々な国の国旗はためくビルの前にも 人間なら三人かかっても引き金を引けそうにない程 大きなピストルが置いてあった どんな怪人がやったのか 銃身が一結びしてあったから 誰かを殺す役には立たないものだろうが 何のために置いてあるのだろう きっと戦う事がきらいなのだろうね そびえ立つビルの一つに上ってみた 旅半ばの海原を行く船 たどりつくべき場所はあるのか 陽沈む果てを目指し進む 進む だけどこの巨人の国で 巨人を見る事はついになかった 大きなからだ何処に隠しているのだか そのかわりにアリンコみたいに動き回る 人間というものは沢山いて あちこちで血を流したり物乞いしたり 騙したりに忙しい きっとこんな人間達に嫌けがさして 何処か別の遠い所へ 行ってしまったのかも知れないね |
作者紹介/sora。DTPの仕事(自営)の合間に詩を書いていますが、今は暇なので詩作の合間に仕事してます。既婚、子供は一人です。パソコンに向い過ぎてひどい乱視になりました。パートナーは写真家です。 |