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クリスタルなひとり

ユミマロ


若い麦が揺れるひときわ明るい平野の

ゆるやかにくねってのびる道をゆこう

風に舞い

光とたわむれ

古い時間をみんな溶かしてしまおう


海からあがってきて花々に迎えられた

香りたちと木々のささやきと

小さな生き物たちではなやぐ

森へ入ってゆこう

しずかにしなやかにすべってゆこう

ひとりでもひとりではない

たくさんのざわめきに囲まれて

孤独すら香水となった

満ちたりた

クリスタルなひとり


まっさらなまっさおなひろばができる



 
可憐な小さなざわめきたちの宴に入ろう

風に舞い

光とたわむれ

あたらしい時間へと進もう



作者紹介/ユミマロ。誰かひとりの人に、おいしいといって食べられる詩を書きたい。