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新鮮な夕暮れ

ユミマロ


オルゴールが聞こえる

新鮮な夕暮れの中 

ある男と女はシルエットとを重ねる

かさねられた温度がひらく

さらさらの原からたどる

紺碧の谷へとからまりながれる夢色に発色する影

泉にたくさん愛された

ふたつのひとつになった影


どんなに遠くまでも まっすぐを

曲げることのない 遠くまで

陶酔が澄まされつづける 

存在の美しい広がり




この星の形としての

ある男と女のあらゆる曲がったところ

枝という枝が引き寄せ合って

うれいにしなっていく影たちの

はなやぐいとなみが湖面に咲きあふれる風景


どんなに汚れた罠くずにまみれたとしても

新鮮な夕暮れの中

未来の星からオルゴールが聞こえる



作者紹介/ユミマロ。おいしいパンのように、詩が焼けましたよって差し出せる、おいしい詩をつくりたいと思っています。しかし、明日になれば、真珠のような詩をつくりたいと思うかもしれません。