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手廻しオルゴールの速度で

猫目石


星模様の天球を

手廻しオルゴールの速度で

過っていく雲を見た



私は屋上に立ち

その天球の下で

シャボン玉を吹く

西北西の風は

シャボンを巧く夜空に運び

穏やかに壊すのだ






薄荷のにおい






髪から肩から唇から

ほろほろと零れていく

柔らかな夜の色が

私を許していく




そうして

星模様の天球を

手廻しオルゴールの速度で

過っていく雲を見るのだ









作者紹介/猫目石。作風転換ではなく、今までこのテの詩をそんなにギルドに発表しなかっただけ。微弱メルヘン。うーん、どうでしょうか。