渇望
葉月京
生々しいのが嫌なら
触らないで
小心でわがままで
埃にまみれた魂を
奪う気がないなら
その手にあるぼろ切れは捨てなさい
一度や二度で
枯れる優しさじゃなくて
欲しいのは
かたい骨組み
弾力
すみれ色の夜
まぶたの上のぬくもり
その奇跡