|
|
|
|
失意 JEAN1999 暗くて重い空 空の上に曇り空 教会の音が地面に鳴り響き 小鳥のさえずる声も叫びに聞こえる 暑くもなく寒くもなく 物体の熱は空気に溶けている 大人たちは黒い衣服に身を包み 上を見上げることなく行列する 子供たちは白い衣服に身を包み 大人たちの後で遊びに夢中 死者は起き出し人々を見守る 時折見せる青い空 もはや大人たちには明るすぎる 子供は気付く間もなくはしゃぎまくる 人々は赤ん坊の泣き声に気付く わずか一瞬の出来事 死者たちの嘆息 やがて大人たちの行列の前に 大地の割れた穴が現われ 音なく大人たちは消えてゆく 他の動物たちはそれを嘲笑う そのうち動物たちも去り 植物たちの讃美歌が始まる 歌と共に 世界は暗闇に包まれてゆく 閉じられてゆく世界に 人々は気付くことすらない かろうじて純粋な恋人たちが歌う歌に 時折植物たちの歌が止むのだ |
作者紹介/JEAN1999.精神世界を書き続け、未だその世界は奥深くまで続いている。どこまで表現できるか。それとも何を表現できるか。探索の世界を毎日さまよっている自分である。 |