風織
猫目石
百の風車で集めた風を
千の糸車で紡いで縒った
解れやすく消えやすく
気まぐれな糸に指先の
擦れた血色をにじませて
薄桃色に染めていく
指先全てすり減らし
車がからりと止まる時
消えずに残ったひと巻の
か細い糸が出来上がり
それでようやくハンケチほどの
小さな布を織れるのだ
糸で織り上げその血で染めた
薄桃色の風の織物