詩人達の部屋

詩人ギルド

リンク

作者へメール


ユメ

猫目石



何度も夢を見た

白昼夢だった

くらくらした

乾いていた





あなたへの電話は繋がらなかった





風が吹いた

アサガオが咲いた

そして閉じた

ゆっくりと時間と地球が回転した





空色の錠剤を飲んだ

夢は見なくなった

浮力は保たれたまま

私はそれでも泳いでいく術を身につけた





あなたへの手紙を書いた

あなたへの手紙を出した

きっとそれは届いた

あなたは同じ夢を見た筈だった





硝子瓶に閉じ込めた

ひとしずく

水晶骨の内部は

いつも瑞々しい





見ているだけではつまらなかった

だから





私は回転する時間と地球を

泳ぐ術を身につけた








作者紹介/猫目石。砂糖菓子のような夢想はきらい
などと思ってみるこの頃。