脱出
葉月京
ひとりでに歩くのはわたしの足
この爪先が感じるもの
痛いもの
カシス色のワンピースは
一回だけ着て
まるめて捨てた
断りもなく
侵入してきたりするから
さも自分は悪くないような
顔するから
遠くに飛んでしまった衝撃が
背中に響く
イラダチはあなたのもの
わたしはもう
いらない
ことばの
先へ