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夏的目眩

猫目石


一日中眠りながら

僕はあっちこっちを行き交う

飛んでいくまでの間は

割と単純な精神構造




一日4時間だけ

正気に戻る




蝉の抜け殻と壊れたグライダー

錆付いたジャングルジムのてっぺんから

放りなげて明日の天気を占う

よく飛んだほうが勝ち




林檎の汁は赤くはない

トマトケチャップ





いつまでたってもヌルイだけの水道水

蛇口を上に向けたまま途方に暮れている




ヒグラシ

急激な暗闇に

夏においてけぼりにされた僕は

やっぱりまだ眠ったままで

ジャングルジムの錆びを

腕にこすりつけている










作者紹介/猫目石。夏眠中の猫目石。のアタマの中身がこんな感じ。そろそろ起きようかな。