詩人達の部屋

詩人ギルド

リンク

作者へメール


ウィーバー・ストリート

めだ


ジミーは劇場の前に座り込んで

靴墨こねこね客を待った

一晩稼いで家路につくと

娼婦の口が愛をせびる

後悔の朝、無力な心

鏡の男に名を問えば

答えはいつも素っ気なく

変わり様もない、「磨き屋ジミー」


ウィーバー・ストリートに戻って来いよ

完璧な空、デタラメな街

みんながまるで英雄気取り

どんなに派手な季節でも

ここだけいつも狂い気味


アローネはベッドに潜り込んで

ドキドキしながら薬を打った

途端に彼女は鳥になり

いつもの客も満足さ

失望の朝、消えた羽根

鏡の女に名を問えば

答えはいつも挑発的

渇いた声の、「娼婦アローネ」


ウィーバー・ストリートに戻って来いよ

適当な夢、デタラメな街

みんなが過去を紡いでる

こんなに確かな時代でも

ここだけなぜかいい加減



作者紹介/めだ。♂、あんこが苦手。