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Pressure

夏井椋也


穏やかな朝はかなり辛い

いっそどしゃ降りになればいいのに

心地良い風がテンションを萎えさせる

「もうダメかな」を踏みつけて歩き出す





鳩尾のあたりの不確かな重みが

慢性的な吐き気をもよおさせる

ポケットに突っ込んだてのひらは

いつもビタミン臭い汗を握っている





逃げ出す術は飽きるほど考え尽くした

前向きで後ろへ進むステップも覚えた

だまし絵の水路を泳ぐ不安は

上っているようでも下っているようでも

いつも同じフロアを回り続ける





笑ってるからって

油断するなよ

たったひとことでキレてやるから

これを言ったら

絶対にぶん殴る

たったひとこと

「頑張れっ!」