生きている
月島葉月
裸足の少女が
立ちつくす
砂浜は
夏の残り香が
漂う
どこまでも
遠くを見ている
吸い寄せられるように
波が立つ
時が経ち
日が陰り
潮が満ち
さざ波に目を閉じる
少女には
聞こえる
静かな幻
遙か彼方の
限りない永遠
今ここにある
限られた生命
海水が
胸元を濡らすとき
もう一度と
目を開けた
私は生きている