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砂時計をめぐる断想 N.K
それはどこだったか 聞こえるのは鳥のさえずり, あるいは,波の音。 なつかしさ。 なつかしい目覚め、 なつかしいまどろみ、 そこは暖炉のそばのゆれる椅子なのか。 私はすでに老人なのか。 私は今だに乳飲み子なのか。 あるいは, 塹壕の中の震える兵士なのか。 なつかしい昂り、なつかしい戦慄、あるいは 予期せぬおののき,新たな危機。 ガラスの中の砂が落ち, 私の中で時が止まる。 私は砂時計を逆さまにする。 そこは、いったいどこなのか。 私は、いったい誰なのか。 私がまた、流れ始める。 |
作者紹介/N.K。高校のころ、詩を少し書いたことがあります。それから20年のブランクを経て、書いてみました。(高校のころ書いていたと言ってもただ,ノートに書いただけですが...。) |