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空の心配

たかひろ


この町では日が落ちて湿っぽい風が吹き出したけれど

どこかの国では今も

森が枯れてゆき続けているらしい

人々の心のすきを見て

社会のほころびをすみかにして

闇が集い

工場に

小学校に

ターミナルに

ニュータウンに

めまいのする事件を積んで

ミサイルがこの国を飛び交うのさ

僕はもうワルものさがしはしなくなったが

手の届かない厄介ごと、やりきれないね

どうしてこんなにもたくさんの

悲しみがのこったの

みんなすぐに涙になって揮発してゆく

いろんなものを枯らして

すぐになくなってしまったあとには

いやな雲が小さな町の空までももおおう

そんな夜に僕だけが町の空を見ていた

くもらなくたってもともと暗い

誰も夜の空の心配なんかしない

それでいい



作者紹介/たかひろ。詩を書きはじめて発表してみることを始めたのは最近なので技術とかよくわかりません。感想などを聞かせてもらえる場があるならもっと発表したいですね。