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浸透圧

猫目石


多分私は

ふゆの空気と浸透圧が等しいのだと思う




ほろほろと空気が涼しく

或いは冷たく

乾いて透明度を増すにつれ

私の皮膚から骨から眼球から

ぢんわりと瑞々しく染み入ってくるのだ




私の細胞は途方もなく心地よくなって

まどろむように

(それでも確かに知覚をしつつ)

覚醒へと向けて動き出す

渇いた細胞にふゆの空気が流れこむ




細胞のひとつひとつが潤いを保ち

私はうれしくてたまらない

遺伝子レベルで祝福している

ふゆの到来




多分私は

ふゆの空気と浸透圧が等しいのだと思う




心地よく私は

ふゆの空気を呼吸している









作者紹介/猫目石。ふゆ LOVE♪