背骨。
みどり
「今日は背骨の匂いがしてるね」
あなたは毎日そう呟いた
そうして私が盲であったら
あなたの骸を抱いてもいいのに
骸骨の踊り方は昨日と違って
老人の屠り方も昨日と違って
私はこの球体に油を撒いて
でも火を点けるマッチはなかった
背骨は小瓶に詰め入れて
汚れた川に投げ入れるもの
ぽちゃりと綺麗な水音だけが
少しは現実に似ている幻