SHEEP

猫目石

ＳＨＥＥＰと左手に黒いマジックで書込んで

でかけた。

忘れないように。

迷える仔羊。

予約をしないと。

なくなってしまうかもしれない。

来年の処方箋と

神経質な含み笑い。

移動動物園でふれた羊はそれはもう

ウール１００パーセントでした。

アクリルなんて混じってませんでしたよ。

ほんとうに。ほんとうに。

私はあの日から羊を飼いたくてしかたがない。

あの手触りを切望するとき

どこかしら歯車が狂っている。

左手の刻印は

油性のくせにすぐ消えて

何度もすぐに忘れてしまう。

ＳＨＥＥＰは眠らない。

ＳＨＥＥＰは眠らない。

ＳＨＥＥＰは眠らない。

わたしはねむれない。