あした
−「返信詩」への返信詩−
| 八木隆充 | 
同じ風と空の下に 何気ない明日感じていた
当たり前に見える仕草に 刹那の永遠を信じていた
いつからか求める事にも慣れ 昨日の少年はブランコを捨てた
目覚める度に巻き戻される 一瞬のまどろみにあなたが滲んだ
もたれた壁に温もりを感じた
街を灯す明かり達に 自分はいないと泣いてるね
全てが今日へと繋がっていたなら
残された想い達に 語られぬ歌を歌おう
見覚えのある歩道橋の手すり 道ばたの石を蹴飛ばした
ひと固まりの雲が流れていた あした天気になあれ
いつの間に優しさすら忘れ 明日の朝に怯えていた
いつの日か笑いかける たった一つの祈りの為に
もたれた肩に切なさを感じた
いつまでも感じるままに 走り去った時を追い掛けて
全ての明日にココロが許されるなら
忘れてきた空のかけらに 少しだけ歌を歌おう
いつかの永遠(あした)の為に
| 八木隆充 1971年生まれ。デザイン、イラスト、写真も手がける歌って踊れる吟遊詩人。企画機関<PPP>幹事会員。 |