For
−「でがみ」への再返信詩−
| 八木隆充 | 
夢の終わりに吹く風は 駆け抜けていった時の様に
いつからか素顔さえ忘れ 押し殺していた安らぎが今
見慣れた帰り道 車窓の風景 繰り返すまどろみの中で
一つだけ気付いた消えそうな想い 誰かの泣き顔
何かぼんやりした毎日に囚われ 笑い方も忘れそうになっていた
重ねてきた朝と夜に 私の心探し続けてた
見上げた高い秋の空には 2羽の鳥が飛んでいた
朝靄の中 道ばたの 花が一輪凍えている
やるせない気持ちふと込み上げて 閉じ込めた昨日思い出した
変わりなく朝はやって来るから 信じる思いだけ忘れないで
重ねてゆく朝と夜に 独りの体を抱え続けてた
ただそこにある物を探して 気付けなかった明日を求めて
今度手紙を書きます かけがえのない季節の為に
失えない想いの為に いつかの私の為に
| 八木隆充 1971年生まれ。デザイン、イラスト、写真も手がける歌って踊れる吟遊詩人。企画機関<PPP>幹事会員。 |