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影法師

八木隆充


壊れそうな優しさを

手のひらに包んで泣きました


「もう見えないよ」と言われても

風に吹かれて待ちました


夕暮れの家路は道遠く 一つの影法師

何故ですか忘れじに 髪を撫でて空に溶けた

夕暮れ過ぎて陽が暮れて

点るあかりを見てました


あなたの街の人の灯は

優しく包んでくれますか


人の祈りや幸せは 二つの影法師

明日はあの暖かな あかりにゆらゆら揺られてる


夕暮れの家路は道遠く 一つの影法師

風に吹かれて帰ってく いつかの二つの影法師



八木隆充

1971年生まれ。デザイン、イラスト、写真も手がける歌って踊れる吟遊詩人。企画機関<PPP>幹事会員。