Monolog
八木隆充 |
褪せてしまったフィルムの中 街は鮮やかに色をなくし
濡れたアスファルトに溶ける影は 儚気な温もり呼び起こす
蒼ざめた記憶は意味を求めず なぞるだけの微笑みは時を見失う
目覚めは強がりを許さない 朝の光が少しずつ壊してくだけ
繰り返す毎日に 置き忘れた部屋の鍵を
言い慣れた名前に 通い慣れた道に
語られない言葉を 呟くだけのMonolog
俯いた足もとには うずくまった影が滲む
泣き疲れた子供の様な いつか見たモノトーンの陽炎
リューズを巻いても針は動かない 錆びた時間は疼き続ける
景色に織り込まれた約束達 15時の光は全てを知っていた
軋み出した扉に 見え隠れする夢を
焼き付いたままの夜に 埃まみれの写真に
重ねてゆく眼差しを 見つめるだけのMonolog
聞き取れない 雑踏の だぶっていく 許されず に
繰り返す毎日に 置き忘れた部屋の鍵を
言い慣れた名前に 通い慣れた道に
語られない言葉を 呟くだけのMonolog
軋み出した扉に 見え隠れする夢を
焼き付いたままの夜に 埃まみれの写真に
重ねてゆく眼差しを 見つめるだけのMonolog
Monolog....
八木隆充 1971年生まれ。デザイン、イラスト、写真も手がける歌って踊れる吟遊詩人。企画機関<PPP>幹事会員。 |