天からの贈り物じゃないけど、黙って受け取って?

Gift番外編』

yukio

このページの画像は、すべてyen様の作品です♪

第1話『病気の弟に届ける(前編)』

ギフト最終回後の周囲の反応。

その1.関連会社のお姉様(1時の母)Aさん。家事をしながらだったけど、最後の笑顔は本当に素敵だった。とりあえず、どういうラストだったのか説明しろ。(説明しました。彼女が運転する車で移動中)SMAPだったらキムタクやなー。色気もあるし、なんであんなに綺麗なんだろう。どんなお父さん、お母さんなんだろう。ここで勢いこんで説明する私。「木村のお母さんは、中居に似てるんです!」「えっ!?」思いっきりひく、Aさん。し、しまった…!ファンじゃない人に、中居の美貌は解らなかったか…!「いや!中居ちゃんは、本当に顔が綺麗な事を感じさせませんけど、よぉーっく!よぉーーっ見たら!綺麗なんです!」と力説し、毎日持ち歩いている分厚いアルバム(ショップで売ってるやつ)を見せると、「はー…顔ちっちゃいねー…。うん、綺麗、綺麗」…お付き合い?お、お付き合いっ??

その2.番組終了直後にお祝いの電話をくれたあわじん。一言お祝いだけ、と言いながら、なんだかんだで1時間以上喋っていた(笑)木村ファン(決め付け)の夫るるさんは会社の飲み会のため、標準でビデオに録ってあげたそうだ。

その3.「最終回見ましたー!でも、なんの事か解らんかった…」といった我が社の姫、たろちゃん。そら1回しか見た事ないのに解るかい!だけん、最初っからみーゆーたんじゃわっ!

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今日の由紀夫ちゃんのお仕事

その1.届け物「今日中に届けばどこだかの干潟が助かるという干拓事業に関する書類」届け先「トビタカケンイチロウ」

早坂由紀夫として生きて行く決意をした由紀夫は、トビタカケンイチロウに書類を届けに行く途中で、田村に電話を入れた。すでに、例の隠れ家に戻っていた田村の、変わらない留守電を聞いた由紀夫は、妙に嬉しくなり、今度メシでも食おう?とメッセージを入れて切った後、またすぐに電話をした。
「もしもし?田村ぁ?ちょっと調べて欲しい事あんだけど」

トビタカケンイチロウに書類を渡し、受け取りの写真を撮った、ちょうどその時、田村から連絡が入った。住所を聞いた由紀夫は、こんなに近かったんだ…、と思った。

都内の、大きな病院。由紀夫は、シンと静かな廊下を歩いていた。個室が並ぶ部屋の一つ、一つの名札を見、7つ目の部屋に目当ての名前があった。
3年ぶり。中にいる彼は、16歳になっているはずだった。
小さく深呼吸して、ドアをノックする。『どうぞ』という声は、3年前に聞いた時と変わらずに少しかすれていて、少しだけ低くなってるようだった。

「兄ちゃん…?」
3年ぶりの兄の姿を見て、血の繋がらない由紀夫の、溝口武弘の弟、溝口正広はただでさえ大きな目を、真ん丸に見開いた。


どうしても子供ができなかった溝口夫妻が由紀夫を引き取ったのは、由紀夫が7歳の時。しかし皮肉なもので、その直後、義母は妊娠し、正広が生まれた。養子と実子では実子に愛情が向かうのは当たり前の事で、ただでさえ生まれた時から家族の愛情を知らない武弘は、自分が必要とされていない事をひしひしと感じた。そんな積み重ねで、中学に入った頃には、由紀夫は立派な不良ぶりを発揮。めったに家にも近寄らなくなっていた。

それでも、義理の親の目を盗むようにたまに家に戻ると(大抵は母親のサイフの中身が目当てだったが)、正広は必ず目ざとく武弘を見つけ、イヤがる武弘の腕を、小さな手で引っ張って、近所の河原に連れて行った。

そこは、武弘が、小学校からの同級生、永井と遊んだ場所でもあったが、野球の好きな正広は、にこにことグローブを差し出し、キャッチボールしようと誘う。
「僕ねぇ、大きくなったらプロ野球の選手になる!」
毎日、外で遊びまわって、細い手足を、小さな顔を、日焼けで真っ黒にしてる正広が元気な声で言った。
んなの、俺に関係あんのかよ…、と思いながらボールを受け取った武弘に、正広は無邪気に尋ねた。
「にーちゃんの夢は?ねえ、にーちゃん大きくなったら、何になりたいの?」
望まれて生まれ、両親の愛情を一身に浴び、正広の手は、これから先、何だって掴み取る事ができるんだろう。妬ましいような、憎いような気持ちになった。それでも、武弘は、心のどこかで、正広を嫌いにはなれなかった。
ただ、開けっぴろげな、お日様のような笑顔は、武弘には眩しすぎて、少し目を伏せる。
「にーちゃん?」
いつまでもボールを投げかえしてくれない兄に、正広は首を傾げる。
グローブとボールを一緒に投げて、もういいだろ、と武弘はその場を離れる。小さくなる兄の背中を、ボールと二つのグローブを胸に抱えたまま、ずーっと正広は見ていた。

3日ほど通っただけで高校を辞めた武弘は、お定まりと言えば、これほどお定まりはないと言うルートを辿り、堕ちて行った。家とは絶縁状態になり、一人で生まれて、一人で育ったように、武弘は一人ぼっちになる。そんな武弘が、正広の入院を知ったのは、今となっては、名前すら思い出せない、何人目かの女の家だった。
小さい頃から、病気一つした事のない弟と、入院という言葉が結びつかず、どうせ骨折だの、盲腸だの、食あたりだの、そんなもんだろう、と取り合わなかった武弘は、永井から、正広の病名をを知らされて、心の底から驚いた。
「…心臓病…?」
永井は黙ってうなずいた。

<つづく>

…、だ、誰かついて来てくれてます!?わ、私ひょっとして、一人ぼっち!?今、一人ぼっちですか!?

元ネタ(ってゆーか、ほとんど全部??)はMajor通信横須賀支局支局長、黒ラブ様。ありがとうございましたー!続きは、来週の水曜日!

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