◆英國戀物語エマ

原作 : 森薫 / 監督 : 小林常夫
英国文化アドバイザー : 村上リコ / アニメ制作 : ぴえろ
アニメ公式サイト
http://www.emma-victorian.com/

関連サイト(アニメ制作) スタジオぴえろ
http://pierrot.jp/index.html
(原作者) 森 薫 公式HP「伯爵夫人の昼食会」
http://pine.zero.ad.jp/~zad98677/
(コミック連載中) 空間コミックビーム
http://www.kanshin.jp/comic-beam/


◆第四章「ミューディーズ」3
脚本(池田眞美子)、絵コンテ・演出(中村哲治)、総作画監督(清水恵子)、作画監督(門上洋子)

というわけで今回は、ウィリアムはハキムからエマに告白したことを聞かされるって話。
まったりと進む恋愛模様。
サブタイは「ミューディーズ」であったが、あんまり貸本本屋の話は関係がなかったな。
主題はハキムの告白によって揺れるそれぞれの心情といったところか。
正直かなり地味だが、まあゆったりと心情を描いているのは良い。
色々恋愛模様も複雑化してきた訳だが、最後はいったいどうなるのやら。
で次回は、晩餐会。


◆第三章「告白」3
脚本(川端信也)、絵コンテ(金子玲)、演出(島崎奈々子)、総作画監督(楠本祐子)、作画監督(遠藤裕一)、画面設計(田中比呂人)

というわけで今回は、インドから王族のハキム(うえだゆうじ)がイギリスのウィリアムの元へやってくるって話。
なんだか、いきなりウィリアムよりもさらにレベルの高いボンボンであるインド人が登場。
相変わらず画面設計などは白眉ではあるが、流石にこの展開は強引だなあ。
ウィリアムが一目ぼれなのは主人公特権でともかくとして、インド人までいきなり一目ぼれだと嘘臭くなる感じ。
もうちょっと、何らかの切っ掛けが欲しかったとこ。
エマさんが美人っつってもあくまで「いちメイド」な訳だしねえ。
それにしても、なんだかエマさんを巡っての三角関係って感じは「めぞん一刻」を彷彿とさせる展開だな。
もっと質実剛健な骨太な物語なのかと思いきや、意外に軟派な要素も入れていて、まあこれはこれで面白いとは思う。
で次回は、ハキム大暴走。


◆第二章「二つの世界」4
脚本(池田眞美子)、絵コンテ(岡村天斎)、演出(林有紀)、総作画監督(清水恵子)、作画監督(斉藤寛)、美術設計(高岡淳一)

というわけで今回は、久々の社交界のパーティに出るウィリアムって話。
第1話と変わらず、相変わらず徹底した手抜きなしの重厚間ある画面作りである。
OPから本編とEDまで、きちっと一つの世界を作り上げている。
傑作名作アニメ「赤毛のアン」とかでよく言われてる「リアリティ」は、「皿を洗う」とか「靴を脱ぐ」とか、その日常の些細な一挙手一投足を徹底的に手抜きなしに描き込むことで作り上げてたりしてるわけだが、そう言うのがきちっとできてるのがやはり偉いね。
なんか絵コンテにも岡村天斎がいきなり入ったりとスタッフも豪華だし。
まあ元から出来が良いんで、それで何が変わったってわけでもないけど(笑)
で、どうやらアニメの方は原作を結構急展開で話が進めてるみたいなのだが、今のところそういう違和感は全く感じない。
キャラクターもなんか一気に登場してきたけど、置いてきぼりにされるって所もない感じ。
やはり、ウィリアムとエマの「身分違いの恋」を主体に、映画のように丁寧に心情豊かに描き込んでるからかもね。
原作は終わってないようではあるが、「美鳥の日々」のように1クールで綺麗にまとめてくれそうである・・20分(本編)×13話(1クール)なら、4時間ぐらいの長編映画って感じだもんな。
まあそれにしても、意外に女性キャラ多いんだな。
「萌え」とは無縁かなと思ってたんだけども・・なんか華やかで可愛くもあり、結構「イける」かもしれない(笑)
声優さんもなかなか豪華だしねえ。
で次回は、インド人が登場。


◆第一章「贈り物」5(85点)
脚本(池田眞美子)、絵コンテ・演出(小林常夫)、作画監督(楠本祐子)、作画監督補(小林明美)、レイアウト監修(田中比呂人)

というわけで、月刊コミックビーム連載中の、原作・森薫の「英國戀物語エマ」がアニメ化。
ちなみに、自分は原作は読んだことはありません。
スタッフは、アニメ制作はすたじおぴえろ、シリーズ構成は池田眞美子、キャラクターデザインは楠本祐子・清水ケイコ、画面設計は田中比呂人・高岡順一、監督は小林常夫、といった構成。
今回は、時は19世紀末のイギリス・・ケリー(中西妙子)に仕えるメイドのエマ(冬馬由美)は、ケリーのかつての生徒であるウィリアム(川島得愛)と運命の出会いを果たすって話。
「十二国記」「美鳥の日々」と、着実に株をあげつつある小林常夫監督貴下のスタッフだけあってか、素晴らしい出来栄えと言える一品。
演出、作画、美術、音楽、声優・・往年の「名作劇場」を思わせる何から何まで非常に重厚感溢れる骨太な作りとなっていて、その映画を思わせるような映像美にただただ圧倒。
動き、仕草、表情、構成・・画面の端々にまで行き渡った「力の意識」がピンと張り詰めている。
現在の「スーパーメイドもの(笑)」による「メイド萌え」に逆行するかのような、「本物のメイド」を描き込む「リアルメイドもの(笑)」としての意気込みをそこに見た。
とはいえ、非常に出来がよくて雰囲気とかが最高なのは確かではあるのだが、基本的には「お上品」な「名作劇場」であり、アニメ的な「萌え燃え」なキャッチーさには欠ける「大人のアニメ」ではあるわけで、初っ端のその映像的インパクトに慣れてしまうと感想とか書きにくそうな雰囲気ではあるな(苦笑)
この作品で、「エマたん萌え萌え〜」とか言ったら非常に頭悪そうだもんな(笑)
あと、枠的にも「エロ押し」なU局深夜よりも、NHKとかの方が良かったかもしれないねえ・・アニオタ向けというか、「一般人向け」っぽいとこあるからね。
まあ、「プラネテス」とか「モンスター」とか、こういう「大人のアニメ」も作れるようになった辺りが、今のアニメバブルの長所とでも言うか、多極化の凄さだよねえ。
こういう様々なジャンルをアニメで掬って行くことで、アニメがよりオタだけでなく子供や大人まで様々な層に浸透し、より多様化したアニメの表現が広がるといいっすねえ。
と、真面目に締めてみる。
で次回は、二つの世界。


戻る