■エルマンソー兄弟の「超漢字」解説
タイトル通りのもので、読み応えのある記事なのだが、少しちゃちゃを入れたい。といっても、私がこの書き手や超漢字を批判してるという風には受け取って欲しくないのだが、どうなるかな?
まず、
WindowsやMacintoshの電子メールソフトでは、メールを1通ずつ独立したテキストファイルとして保存することはあきらめ、すべてのメールを1かたまりのバイナリファイルとして保存する道を選びました。
|
という記述ですが、私の使っている WeMail や、電信八号といったクライアントは一通ずつ独立したテキストファイルとして保存しているんですね。従って、これをもって超漢字の優位性は語れないと思うのだけどどうでしょう。
次に、
このようにして作られた1つの文章の中には、文字列だけではなく、画像や計算表など、さまざまなデータが混在していることになります。そして、それらの文字列、画像、計算表は、それぞれ独立して編集することができるわけです。
|
アプリケーションが対応してなければならないという制約はあるものの、これはウィンドウズでも可能です。というか、長い間ウリになってたくらい。以前はマシンパワーが足りなくて非現実的な機能でした。しかし、現在ならさほどストレスなく使えます。どのくらいの人がこれを実際に使っているかは別問題になりますが、であるならば、それは超漢字も等しく抱える問題になるでしょう。
最後に、これはまだ私の中でも結論が出ていない事項。
BTRONでは各ファイル(実身)は、ファイルどうしでネットワーク的な繋がりを持ちます。ツリー上の資源配置簿の中にのみファイルが置かれる、他のOSとは根本的に原理が異なります。
|
UNIX 系の OS や BeOS ではシンボリックリンクが自在に埋め込まれていたりしますので、単純なツリーではないということはおいといて、発表当時はともかく、現在の時点で本当に BTRON 風ファイルシステムにアドバンテージがあるのかどうかよくわかりません。美崎薫氏などは、ファイルが増えれば増えるほど BTRON の方が管理しやすくなるのだと述べられていますが、数万の画像ファイルを管理してるときには、ツリーの方が直感的でわかりやすい気がしちゃうんだなあ。まあこの辺は、超漢字でタフな使い方をしたことがないので判断停止状態です。
も一つオマケで。
BTRONでは各ファイル(実身)は、ファイルどうしWebページのリンクは、外見上、ツリー構造ではありません。通常、ツリーを呼び出してそこからページを開いて行く、などという使い方はしません。でも「ツリー状になっていないから不便だ、使い物にならない」と言う人は、いないと思います。
|
いませんが、欲しい情報が見つけにくいと感じてる人はいるでしょう。もちろんそれはウェブの問題であって、超漢字とはなんの関係もないですが、なんとなく上記の問題につながってきそうな予感はあります。
てなわけで、ちょっとしたちゃちゃでした。繰り返しますが、これは批判を目的にしたものではありませんので、そこのところよろしくお願いします。
|