拓の部屋はアパートの二階で、思ったよりもずっと広かった。2LDKだよっ! 一人暮らしのくせにっ。……うちなんか2DKなのにい……。
家に入ってすぐに、何故か――まあ、あたしがいるからだろうけど――自己紹介が始まった。
「三塚望 、二十歳。キーボード担当で、通常作詞作曲手がけてます。……くれぐれも、のぞみちゃんとは呼ばないように」
……なるほど。『望』ね。だから『のぞみちゃん』なのかあ……。
「佐山宏伸、十九歳。ベース担当してます。宏伸って呼んでねッ」
……やだ、とか言ったらどうするんだろうか……。
「叶雅樹、二十一歳。ドラム担当。好きなように呼んでくれ」
……ダーリン、とか言ったらウケるだろうか……。
「文月拓……」
「おまえは言わなくていいって!」
他の三人の声がハモる。異口同音とはこのことを言うのか……。
三人は拓につっこんだあと、期待の眼差しをあたしに向ける。ああ……。
「……春日美奈、十八歳で専門学校生です。この近くのアパートで一人暮らししてるんで、いつでも遊びに来てください」
言うことがないから、とりあえずそう言うと。何故か隣に座っていた拓が、コップを落としそうになって、焦る。
「へえ、近くなんだ。何分くらい?」
佐山さんが目を輝かせて訊いてくる。……言わなきゃよかったかもーッ。
「五分くらい、なんですけども」
あたしが後悔しながら答えると、佐山さんはますます目を輝かせた。
「じゃあ、今晩あたり行ってもいい?」
あああ……やっぱり……。
「よくないです」
あたしはきっぱりと即答する。
そういうことを言いそうな気がしてたんだよなあ。
折角佐山さんかっこいいのにさあ。そんな軽いふりしてるといつか損するんじゃなかろうか、この人……。まあ、あたしには関係ないけど。
ビールの空き缶が三〜四本床に転がる頃、話は当然の如く音楽に流れていってた。それも、本当ならあたしが聞いてちゃまずいんじゃなかろうか、というような内容の話。はっきり言っちゃえば、バンド内の話だ。
「やっぱりさあ、もう少し幅広げられるといいよな」
「オールマイティ、みたいな」
「拓が書いたやつで、少し広がったからなあ」
「ちょーっと欲が出るよねっ」
ちなみに今言ったのは、雅樹さん、拓、望さん、宏伸くんの順。あたしはどうも取り残されたような気がして、仕方なくコップの中のコーラをこくこく飲んでいた。未成年だからお酒は飲まないのさー。……とかなんとか言いつつ、右手には火のついた煙草なんぞを持ってたりするけど。まっ、世の中そんなモンよね。
「結局俺が書いてるだけじゃ、限度があるからなあ」
言いながら望さんはちらっとあたしを見る。……皮肉だろうか、今のは……。あたしの隣に座ってる拓は望さんの視線に気がついたのか、どうしたの? って感じの視線をあたしに向けて……直後、そこで石化する。
……ちょっと待て、なんかやばくない?
「……美奈……」
拓が惚けたような声であたしの名前を呟く。……ああ、やっぱりなあ……来ると思ったんだよなあっ。
「今持ってるよ。見る?」
あたしが溜め息交じりで言うと、拓は一瞬にして目を輝かせた。
「見るっ」
あたしは半ば仕方なく鞄から小さいノートを取り出す。その中には、しっかりと詩がいっぱい書いてあったりする。ノートを出すときにちらっと望むさんたちを見たら、何二人でわかりあってたりなんかしてんだよ、ってな目で見てた。……いいんですがね、別に……。
「あたし、詩を書いてるんです」
あたしがたった一言でそう説明すると、望さんたちもノートをのぞき込み始めた。
あっ……あたし、逃げちゃ駄目かなあっ!? ひーッ、恥ずかしいよおおっ!
「何かさあ……」
一番先に読み終わったであろう――と言っても多分まだ一ページ目だ――拓が言って来る。
「これ書いたとき、何か嫌なことでもあったわけ?」
「……これって、どれ?」
一番最初に書いた詩がどれかなんて、憶えちゃいない。
「MOON」
拓は詩を見たまま、タイトルを教えてくれる。……MOON、というと。あれは、確か……。
「ああ、本に感化されて書いたやつだわ。別に嫌なことはなかったはず」
あたしの答えに、拓はそっけなく、ふーん……、と答えた。冷めた奴、と思いながら、短くなった煙草の火を消して新しいのを出そうと思ったとき、ふと気づいた。拓の右手が、微かに動いている。なっ、なんだあ?
十秒程その様子を見ていると、不意に拓は隣の部屋のドアを開けた。そこにはシンセサイザーがどどんと置いてあった。……拓はまっとうなギター屋さんだと思っていたのに、実は鍵盤屋さんだったのかい?
拓はいきなりそのシンセサイザーの前に座って、それを弾き始めた。さすがに夜だからか、ヘッドホンして音が出ないようにしてあるけど。
「……勿体ないよなあ」
望さんが、ポツリと呟く。
「こんなにいい機材持ってて、それを使いこなす腕も持ってるくせに、ステージで弾かないんだぜ」
「それは……」
確かに、弾けるなら弾いた方がいいのかもしれないけど。
でも。
「俺の音じゃSKYには合わないでしょう」
急に拓がそう言って来たから驚いて拓の方を見たら、拓はまだシンセに向かっていた。……器用な奴だ。聞いていたのか。
「いっつもこう言うんだよ、こいつ」
そう言って溜め息をつく望さんは、だけどなんか嬉しそうだった。
それはやっぱり……みんながみんなの音を好きだから、だろうな……。だから、嬉しそうにもするし、贅沢にもなるんだろうな。
「ところで……」
あたしは新しい煙草に火をつけながら、訊く。ちなみに今まで、呆気に取られたまま、火をつけるのを忘れていたのだ。
「拓、何やってんですか?」
「作曲」
望さんはすんなりと答える……って、え? 作曲?
「何でいきなり……」
「そりゃ、美奈ちゃんの詩を見たからでしょう」
「あたしのっ!?」
ということは、あたしの詩に曲をつけてる、と?
「どうしてっ」
「大丈夫、絶対満足させるから」
またしても拓がシンセに向かったままポツリと言う。
「まあ、今更止められないし、おとなしく待ってるしかないね」
そ……それはいいんですけどもね。
……何かマイペースな人達だなあ……。
かたん、と小さな音を立てて拓がヘッドホンをおいたのは、それから一時間ちょっと経ったくらいだった。
そのころあたしたちは、YMOのライディーンの話で盛り上がっていて、その曲のラスト近くの『チャンチャンチャチャ』ってなところのノリで頭っからメロディーラインを変えてみると笑える、とか、小学五年生のときにライディーンで踊ったんだけどもう忘れたとか、そんなことをずっと言い合っていた。
「これ、次のライブで使えないかなあ」
といきなり拓が言い出したとき、一瞬あたしは誰に向かって言っているのかわからなくて、黙り込んでしまった。
「駄目?」
拓があたしを見て言う。……あたしに言ってるのか!?
「拓ちゃん、その前に聴かなきゃ意味ないんじゃないの?」
宏伸くんが溜め息交じりに言う。あたしもそう思うぞ。
「あ、聴きたい? やっぱり? あのねえ、すっごいいい出来なんだよ。ちょっとびっくりしちゃった。なんか、違う世界に足を踏み入れちゃったような感じ」
拓はよくわからないことを言う。おいおい、さっきまでの敬語はどうしたんだ、一体?
拓はシンセの出力を調整して――なんせ今は夜遅く、大きい音が出せるわけがない――何故か不敵な笑みを浮かべて厳かに言った。
「行きます」
そのときに出た音を、あたしはうまく説明できない。
泣きそうだけど強くて、それでも崩れてしまうのが怖くて触れないような、そんな音。覚悟はしてたつもりだったのに、全然足りなかった。だけど、それでも無理矢理抵抗してた。引きずりこまれたりしないで、離れて聴いていたかったのに。
だけど、ショックなんて来るんだ。
つまり――拓の、声が。
一体何処まで走って来ただろう
気がつけば 今は独りで
逃げることで変わるものなんて
ひとつもありはしないのに
交わした指先が 擦り抜けていく
あてもないままに 彷徨っていた
見つかるものは何もなくて
月明かりだけを頼りに 今は
ただ 信じることしか出来ないでいた
一体何処まで歩いて来ただろう
気がつけば 誰もいなくて
独りになって変わったことは
時間の使い方だけで
夢でさえもいつか消え失せていく
あてもないままに 彷徨っていた
欲しいものさえ 何もなくて
この場所から見えるものは
月と星たちの光しかなかったから
あてもないままに 彷徨っていた
見つかるものは 何もなくて
月明かりだけを見つめて 今は
それでも歩くことを やめられなかった
それでも走ることは 止められなかった
知らない、って思った。これは確かにあたしの書いた詩のはずなんだけど、でもこんなの知らないって思った。
全然動けなかった。なんかよくわからないけど、凄く心臓が締め付けられているような……柔らかいレースで心臓をちょっときつく包んでいるような、そんな感じがして。だけどそれがどうしても手放したくない種類のもので。少しでも動いたら、逃げられそうで怖かった。逃げられるのは絶対に嫌だった。
パンッ、と目の前で手が鳴る。実に古典的な方法ではあるが、あたしはそれで我に返ったから、意外と使える策なのかもしれない。
「生きてる? 美奈ちゃん」
「……一応」
あたしはすぐ横から訊いて来た望さんにそう答えるけど、だけどまだ動けないままでいた。
動き方忘れたような、そんな感じ。
「美奈、これ使ってもいい? 絶対ウケると思うんだけど」
拓は身を乗り出してあたしに訊いて来る。だけどやっぱりあたしは何も答えられなかった。
あたしが許可出しちゃっていいんだろうか。こんな、もう既にあたしの手を離れてしまったものなのに。駄目って言っても、きっとやりたがるだろうに。
……とりあえず、駄目、って言ってみるかな。
「駄目」
「やだ」
間髪入れないタイミングで、拓が言う。
やだって……お子様じゃないんだから。
「そう言うと思ってた。いいよ、使いなよ。……使いたいんでしょう?」
あたしはそう言うのが精一杯で、すぐに鞄とジャケットを持って、帰るね、と一言言って玄関へ向かった。
「え、美奈……!?」
拓がびっくりしたように言うけど、あたしは振り返ることはおろか、返事さえも出来なかった。
「美奈、怒ってるのか?」
拓は玄関まで追いかけて来て、そう訊く。
「怒ってなんかいないよ? ただ、もう遅いし……だから」
あたしはただそう言うと、ドアを開ける。その腕を、拓がつかんだ。
「お願い、離して」
ただ、帰りたかった。早く。この場所から、帰りたかった。
「送ってく」
拓がそう言って、靴を履く。
「いいよ」
「いいから!」
拓は奥に向かって、美奈を送ってくる、と言って、あたしの先に立った。どうにも逃げ場がなくなってしまって、あたしは仕方なく拓の後について行った。
「どっち?」
拓は道路に出たところで立ち止まって訊く。
「……あっち」
あたしはとりあえず自分の家の方を指さした。拓は無言であたしの家の方に歩いて行く。あたしの、隣を。
沈黙が重い。怒っているのかな。
……なんか、凄く走って逃げ出したい気分。
「……どうして?」
拓が、不意に訊いてくる。
「どうしてって、何が?」
あたしはさすがにもう、泣き出しそうにはならなかった。思考回路は、まだ正常に戻りきってはいないけど。
「ああやっていきなり『帰る』なんて言って……みんな変に思うんじゃない?」
ああ……そういうことか。
我が儘、とかって思ってるかな、やっぱり。
「大丈夫。望さんがきっとわかってるから」
きっと今頃、望さんが説明してくれてるだろう。あの人には、最初からバレちゃってるんだ。あたしがついさっき気づいたことさえ、きっと。
「どういうこと?」
拓は全然話が見えないって感じで訊いてくる。でも、説明なんかうまく出来ないぞ、あたしには……。
「あの場でまた泣き出したくなかっただけだよ」
あたしはとりあえず当たらずとも遠からず、って答えを言う。
そう、本当は怖かっただけなのかもしれない。ただそれだけのことかもしれない。
ライブ終わったあと、エレベーターの中で望さんに『これからはついて来れなくなっちゃうかもしれないよ?』って言われたことが本当になるかもってこととか、もうこの音が近くになかったら生きていけないかもってこととか、あたしの詩が独り立ちしたような気分になったこととか、どうして拓の曲を聴いただけでぼろぼろ泣いちゃったかわかったってこととか、全部。全部があたしには、怖かったんだ。いきなりすぎて。
「あたし、拓のことが好きだ」
言ってからあたしは、自分がそう言ったことに気づいた。全然意識しないで出て来た一言だった。
隣で、拓が歩みを止める。
「……逢ったばかりで、どんな人間かも知らないのに?」
「逢ってからの時間とかは関係ないよ。それに、拓がどんな人なのか、説明は出来ないけどわかるよ。詩とか曲とか聴けば、すぐにわかっちゃうよ?」
言葉には出来ない感覚で。そんなことなら、全部。
「あたしは拓の書く詩や曲が好き。だから拓が好き。それだけのことなんだ」
気に入ったとか、そんな言葉じゃ足りないから。だから『好き』。泣いちゃうくらいに。そのことに気づいて思わず逃げ出そうとしちゃうくらいに。
「俺は……」
拓は再び歩きだしながら、ポツリと話しはじめる。
「今は、音楽に集中したいんだ。音楽以外のことにあまり気を遣いたくないから……だから」
「わかってるよ」
あたしは拓が全てを言い終わる前にそう言う。返事さえもわかっていて、だけどそれを聞きたくなかったわけではなかった。
ただ、拓が言う必要ないって思った。それだけ。
「あたし、拓の作る音楽をもっと聴きたい。だから拓は音楽に集中していていいんだよ。あたしはあたしで勝手に拓のこと好きでいるから」
だから謝ったりしないで、って言ったら、拓は少し困った顔をした。
「……あたしが、拓の手助け出来ればいい。拓がもっともっと凄い音楽作れるように、手助け出来ればいい」
「ありがとう」
拓は、どう答えればいいかわからないって感じで、だけどそう言ってくれた。
手伝える、かな。あたしでも。手伝えるのかな。何も、出来ないけど。足手まといなだけかもしれないけど。
自己満足なだけかもしれないけど、それでも。
それしか出来ないから、きっと。
「拓、ここでいいよ」
あたしは自分の家の近くまで来たときに、拓にそう言う。
「ここ?」
拓はすぐ近くのアパートを見て訊いて来た。あたしは首を横に振る。
「その、奥のやつ」
あたしの住んでるアパートは、今拓が言ったやつの隣で、今来た道からは奥になっているんだ。
「じゃあ、家の前まで送るよ」
「えっ、いいよっ。悪いよ、それって」
「でもさ、ここで別れたりなんかして、そのあとに美奈さらわれたりなんかしたら、絶対的に俺のせいじゃない?」
……どういう理屈なんだろうかそれは。
「……じゃあ、送ってもらうかな。遠慮なく」
あたしがそう言うと、拓はにっこりと笑った。……あのーッ、その笑顔はちょっと凶悪なんではっ!?
結局そう話をした場所から一分も離れていない場所に家はあるにもかかわらず、既に十五分も一緒にいるのは何故だろう。いや、あたしはいいけどさ。あたしは、ね。
「だからさ……例えば道歩いてるじゃない? そういうときにふと上を見て、ああ空が高いなあとか思うと、そこから言葉が溢れてくるよね」
つまり……十五分間ずっと、詩について話していたという……。まだ、それが引きずっちゃってるし。
「家に帰るまでに忘れないように、ブツブツ呟いちゃったりもするよね」
って、あたしも言っちゃってるあたり、話が終わらない原因はあたしにもあるかもしれない。ああごめんなさい、望さん、雅樹さん、宏伸くん……。
「あるよねえ……。すれ違う人が変な目で見てくのはわかるんだけどさ、そんなの気にしてられないよね」
アパートの。階段のすぐ近くの歩道と車道を隔てるガードレールによしかかって、拓が苦笑する。
「で、それを感じながら、でもこれってまだまだ俺がガキだから許されるんだよな、って思ったら、そこから大人にはなりたくなかったって言葉にまで発展したりしてさ」
「それ、作ったの?」
「いや、それで止まったままになってるけど。その言葉は」
「……勿体ない……」
あたしは思わずそう呟く。拓は、ちょっと困ったみたいに笑って。
「仕方ないよ」
一言で、終わらせて。
仕方ナイヨ。
そんな……そんな一言で。
「仕方ない……なんて」
そんな言葉で終わらせるなんて。
「どうして」
諦められるの。諦めきれるの。どうして。どうして。
「まだ書けないからね……今書くと、嘘になるかもしれないからね」
言い訳かもしれないけど、と拓が小さく付け加えた。なんだかそれが、少し悔しかった。
「……もう帰らなきゃ、望さんたち心配するよ」
あたしは拓から顔をそらし、そう伝える。なんとなく、早く独りになりたい気分だった。
「ああ、そうだね」
拓はそう言ってガードレールから離れる。
タイムオーバー。
そんな気がした。
「美奈、なんか書くものある? ボールペンとか」
いきなり、拓が明るい声になって言う。いや、今まで暗い声だったってわけじゃないとは思うんだけど……うーん……。
まあ、とにかくあたしは鞄の中からボールペンを一本取り出して、拓に渡した。
「何するの?」
「左手出して」
あたしの質問には答えずに拓がそう言うもんだから、思わずあたしはつられるような形で左手を出した……とたんに。拓があたしの左手をがっちりと押さえ込んで、掌にボールペンで何か数字を書いた。
「言えば紙も出したのにっ」
「こっちのが正確だろ?」
……このマイペース人間がっ!
「俺の家の電話番号。留守番電話になってるときもあるけどさ。そのうち、かけて来て。じゃ」
拓は言うだけ言うと、自分の家の方に戻ってく。
「あっ……気をつけてねっ!」
あたしは、そう言うのが精一杯だった。
拓はちょっと振り向いて、手を振ってくれた。
あたしはその後ろ姿が闇に溶けて見えなくなるまでずっと見送ったあと、ダッシュで部屋に入ってコートと鞄をその辺に置いたまま、ノートとペンをテーブルに広げた。
拓が。仕方ないって、それだけで諦めるなら。それくらいなら。……あたしが。
嘘にならない、正直な言葉で。今出すことの出来る、精一杯の言葉で。あたしが。
(書くしかないんだ)
それだけしか。拓が、書けないなら。
(あたしが)
力なんて、本当は全然拓に及ばないんだけど。それでも。
(あたしの中に、言葉があるから)
伝えられるはずの。伝えるための。
言葉が。
(だって、書きたいから)
代わりに書くとか、そんなんじゃなくて。
書きたいから書く。本当はそれだけなんだ。
(仕方がないからなんて)
諦められないんだよ……拓。
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