スキー日記 99年 4月編

99年4/11 (日)(快晴)
     今日は朝から快晴。山頂部には極楽斜面が広がっているものの、アプローチがあまりに長くて今まで敬遠していたピンネシリに行って来ました。今回は秘策があって、アプローチの林道約8kmをクロカン板でスケーティング、その後は山スキーと言うコンビネーションプレーである。これぞ究極のオールラウンドクロスカントリー!。腰に巻いた紐で子供用ボブスレーを引き、それにザックを載せ、山スキーはそのボブスレーにまた牽引させて引っ張るという電車ごっこ作戦を、そっち岳スキー場から開始する。

     残雪期なので、整地してなくてもスケーティング出来るが、さすがに牽引抵抗が大きく、軽快に二歩スケーティングというのは体力が持たず、大半の区間を交互スケーティングで走ると言うより歩く。スキー場から約6km先の避難小屋まで約1時間。クロカンペースとしてはかなり遅いが、山スキーでペタペタ歩くよりかは速い。でも結構体力的にきつくてここで大休止。ここから2km先の尾根取り付き地点まではちょっと勾配があって約20分かかった。一応クリスターワックスは持っていったが、なんとか使わずに済んだ。ここでお茶を飲んだり靴を履き替えたりで時間を費やし、山スキーで再出発したのは歩き始めから2時間後。これだとクロカンを使ったのが、これでは果たして効果あるのかどうか解らない?。

     尾根に取り付いてもまた1時間以上林道歩き。歩き始めて3時間以上経って初めて、下りが楽しめそうな斜面に取り付く。やはりこの山、アプローチが長い!。あと稜線部はここも、スノーモービルがとてもうるさい。ここは立ち入り禁止区域ではないのでなにも言えないが、もうちょっと静かな山旅を楽しませて貰えないものかなあ。

     山頂はかなりの強風だったが、北東斜面は風下だったので大したことなし。いよいよ待望の下り。天気は上々、斜面は良い斜度のオープン&疎林で極楽スロープ、スキーの性能は最高。でも肝心の雪質が....。今日の急な暖気で思いっきり雪が腐り、ソールにねっとりと吸い付いて板が全然滑らない。まだ大粒ザラメ雪ならなんとかなっただろうが、先週降ったまだ新しい雪が、ザラメまで成長していないものだから余計始末に悪い。こんな状況でも、大きな弧で必死にエッジングしながらターンすれば、なんとかかんとか横ずれせずに前に進むカービング板が頼もしい。

     こんな雪質では待根山へ登り返す気も起こらず、まっすぐ単調な林道を下ってクロカンデポ地点へ。ここからスキー場への林道は下りなのだがあまり板が滑らず、またも交互スケーティング。結局1時間10分程と行きと対して変わらないタイムで下山。アプローチにクロカンを使うという今回の作戦は、効果が全くないわけではないのだが、履き替え等の手間を考えると、せいぜい1/3弱の時間の短縮に留まった。まあお陰で靴擦れしないで済んだけど、替わりに朝起きたら上半身が筋肉痛で痛かった。


99年4/10 (土)(曇り後晴れ)
     早速買った山スキの試し乗りにと、近くのスキー場(Mt.レースイ)へ。急斜面やハイスピードターンのような、しっかりエッジングの利いた状態では実に見事にターンが切り上がり、それなのに低速時などあまりエッジングの利かない状態では振りやすく曲がりやすい、実にコントローラブルな特性に大満足。明日は山で履くぞー!。

99年4/4 (日)(後日談)
     今回の羊蹄山大滑降に気をよくして、その帰る途中スキーショップに板の在庫と値段を電話で確認し(実は前もって、お目当ての板が値崩れするのを、ハイエナのように待っていた)、そのまま直行してまたまた山用にカービングスキー買ってしまいました!。おまけにビンディングもセットで!。イヤーここまで行ったらもはや病気。ワッハッハー。

99年4/4 (日)(快晴後晴れ)
     昨晩降った雪が5cm位積もっているが、なにぶん冷え込んだだけあって(-10度位)、パフパフの粉雪。雪崩が不安になるような量でもなく、昨日とはうって変わっての快晴無風。これは天の恵みとばかり、羊締山墓地の沢ルートを6時半頃出発。

     小一時間して標高500m付近の三股もどき地点着。ここから徐々に斜度が上がり、標高650m付近から、今回の目標のデルタ大斜面に取り付く。雪質は標高を上げるに従い良くなり、中間から上は、がりがりの雪面の上に昨日の吹雪で締まった雪が厚くカバーしていて、不快なアイスバーンが解消。そしてその上にパフパフのパウダーが20cm位。弱層テストでは所により若干不安定な箇所(真狩コース尾根の雪庇下付近)もあるが、おおむね安定。

     3時間半掛かって標高1400mの森林限界へ。ここから上は、これまた一転して氷の世界。まだまだ厳冬期で、アイゼンなしではかなり危険な状態。今回はスキーが目的なので、ここで午前10時頃早々とUターン。標高差1100mを一気に下る。

     締まり雪の上にパフパフの新雪。いやー、この時期に、これだけの雪質が味わえるとは思いもしなかった。調子に乗ってスピードを上げると、板が浮くは飛ぶはでもう大変。冷静さを失ってしまった。ぷっつんと切れた滑りのせいで、三ツ股もどきまでの標高差約900mを、なんと10分ちょっとで降りてしまった。せっかく3時間半もかけて登った斜面、もっとじっくり味わって滑れば良かった。

     林道に降りてからは、これまた雪質がうんと悪くなり、水をうんと含んでスキー裏にねっとりと吸い付く。午後はデルタ大斜面の雪もこんな風に腐っていただろう。早めに下山しておいて良かった。

     ニセコ通いも今週で3週連続になるが、最後にアンヌプリ北壁・東尾根・羊締山デルタ大斜面を、この時期にいずれもパウダーの雪質で滑ることが出来て大満足。こんな年滅多にないでしょうね。


99年4/3 (土)(曇り後晴れ)
     残りわずかになった積雪期を惜しくかの如く、しつこくまた今週も来ましたニセコ山系へ。昨晩は真狩に車中泊し、朝方羊締山のデルタ大斜面をアタック!と思ったのですが、朝方はここ山麓でも強い風。視界こそ良いのだが羊締の山頂部は、風下側の稜線が風で巻き上げられた雪で真っ白で見えない。これでは吹き飛ばされてしまうと、それより標高の低いニセコへ進路変更。今週こそアンヌプリ北壁へ行こう。今シーズン2回アタックしたが、地吹雪やら雪崩の恐れやらで2回とも撤退した場所である。

     朝一番のゴンドラに乗って山頂リフトを降りると、やはりここも凄い風。でもせっかくここまで来たのだからと山頂まで歩いたが、立っているのがやっと(一度突風で吹き飛ばされた)。もろ北壁から猛烈な風が吹き上がってきて、とても滑られる状態ではない。で、またしてもやむなく撤退。これで今シーズン3度目の撤退である。

     午後になって日も射してきて、風もおさまり始めたので、昼食後山頂へ再度アタック。今度は風もさほどではなく、北壁へ大滑降。パウダーが風でパックされた状態の雪面が上から下まで続いている。がりがりのクラストよりはるかに滑りやすく、一気に標高差400mのダウンヒル。その後見返り尾根までも、ラッセルがないので歩くことなく、斜滑降ですんなり着き、あっという間にアンヌプリスキー場下へ到着。

     まだ時間がたっぷりあるので、再度山頂アタック(リフト代がちと痛い)。今度はアンヌプリ東尾根を、またしても山スキーと言う名の豪快なダウンヒル。4月のこの時期でも、表面こそウインドパックされているものの、雪質はまだパウダー。カービング板がきっかけ毎に浮いて小気味良い。

     但しこの斜面、3/14に雪崩でボーダーが死亡するなど、雪崩の巣でもある。今回も弱層テストをして、しっかり確認してから滑ったのは言うまでもない。その傍らで、なんの危機意識もなく、ただトレースがあるからと滑るボーダーには眉をひそめざるを得ない(おまけに平気で沢で遊んでいる)。このまま事故が頻発すると、アンヌプリ山頂への立ち入りが全面禁止になりかねないなあ。

     明日こそは羊締山のデルタ大斜面の大滑降をと、真狩へ戻り再度車中泊。夜には小雪が降り出した。


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