余市岳北西斜面・北西シュート

標高〜1488m
標高差〜約600m
(北西斜面の標高差〜約400m)


 この斜面は、キロロスキー場ゴンドラを使うと、わずか標高差300mを登るだけで、標高差600mを山スキー滑降出来るという、大変虫のいいツアーコースですが、北西斜面は常に季節風に磨かれて、北斜面以上に雪付きが悪く、また日射の影響を受けにくいため、4月中旬でもガリガリのアイスバーンでした。また急な斜面ですので当然ですが、雪崩や雪庇崩落・滑落等のリスクもありますので、ご自分で危険を判断出来る方に限ります。

 山頂までの登りについては余市岳を参照して下さい。


 山頂直下はまともに季節風が吹き付けるために雪付きは悪し。かと言ってコルまで尾根を降りてからだと、コルから北に伸びる支尾根からの雪庇崩落が心配(写真左)。と言う訳で、エントリーポイントは山頂とコルの中間付近の雪付きの良い場所を探してとなります。

 それでも雪付きが悪ければ、北西シュートなり、他のラインを探した方が良いでしょう。
 斜面上部は急なため、アイスバーン時は滑落に、また下に向かって左側からの雪崩・雪庇崩落にもご注意下さい。

 また写真右上に”雪崩注意”と書いてある、通称”軍艦岬”の直下には過去何度も規模の大きなデブリを確認しています。で、降りきった後は、この”軍艦岬”からの雪崩を警戒して、極力右岸をトラバース気味に降ります。

 程なく右手より、北西シュートと合流します。


 北西斜面の雪付きが悪い時でも、この北西シュートには、沢形に細長く雪が付いている事が多く、狭いながらも天然のパイプのような地形で標高差もあり、結構楽しめます。

 但しここも沢形なので、雪崩にはご注意を。
 ここからも、軍艦岬からの雪崩を避けるためと、ここから沢なりに降りて標高を下げると右股の沢の沢形が深くなり、支流を越える際に苦労するために、極力平行トラバース気味に右岸を進み、支流を越えます。



 やがて北斜面からのルートと合流し、なおもひたすらなだらかな尾根や小さな支流を水平トラバース状に乗っ越すと、やがてスキー場に出ます。しかしスキー場のこのコース、春は早めに休業している事が多いため、917の東めがけてゲレンデを登り返し、ゴンドラのコースに出ることが出来ます。

 またゲレンデを登り返さなくても地図に記載してある、夏山の余市岳登山口とキロロを結ぶ林道を辿って、ゲレンデ下に出る事も可能です。但し林道は右股の沢の右岸を高巻くように延びていますので、しばらくは緩い登り勾配となっています。


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