山用にカービングスキー買いました

 山スキー板とゲレンデ板、どちらも一長一短があります。果たして私の山スキースタイルに適していて、且つお買い得な板はどっちだろうと言うのが、以前からの悩みでした。

山スキー専用板の特徴〜

  • トップベントが大きく、幅も全体に広いので、深雪でもトップが浮きやすい。
  • サイドカーブが全くと言っていいほどなく、おまけに柔らかいので、クラスト・バーンになるとまるで歯が立たない(エッジの利いたターンは望むべくもない)。
  • ゲレンデ板に比べ割高!。(最低でも軽く2万円以上)

ゲレンデ用板の特徴〜

  • トップベントが小さく、板幅も山用より少し狭いので、深雪でトップがちょっと浮きにくい(ちょっと後傾になる必要がある)。
  • 種類・グレードにも依るが、いいモノだとクラスト・バーンでの安定性は抜群。
  • 悪雪だと、山用より長い分手こずる。
  • 種類・グレードにも依るが、古いモデルだと格安で入手可能。

 最近はスキーに頼った滑りになってきて、ふにゃふにゃの板では硬いバーンが怖くて怖くて。春先に森林限界以上の斜面を滑る時は、人からスノーシューを借りてゲレンデ板(デモ用の195cm)を担ぎ上げて、それで滑る機会も多くなりました。また真剣にアルペントレッカーを買おうかと、めぼしい物を探したりもしました。


 近年カービングスキーがブームになりました。初めは特に興味がなかったのですが、最近になって、”実はこれは山用板とゲレンデ板の両方の良い点を兼ね備えた、私向きのスキー板ではないか!”と感じるようになってから、俄然興味が沸いてきました。

カービングスキーの特徴〜

  • トップベントは小さいものの、トップの板幅が山用より広いので、深雪での浮力はこれが一番では?。
  • クラスト・バーンでの安定性は抜群。
  • ゲレンデ用よりエッジングや安定性が良いので短くて済み、悪雪でも小回りが利く。
  • 最近やっと値がこなれてきた。

 ピュアカーブはちょっとフレックスが硬く、トップが深雪にささりそうだし、イージーカーブはなんか物足りなさそう。で、今年からメジャーになりつつある”オールラウンドカーブ”は、その中間的な位置づけで、”深雪でもアイスバーンでも、滑る場所を選ばない”、”バックカントリー向け”とのショップのアドバイスもあり、この種類に決定。

 そこで色々探し回ったところ、K2のPOWDERと言う、オールラウンドカーブの初級者モデルが、モデル落ちで格安販売していたのを発見(実は対象がレディース向けの、柔目のフレックスの板だそうだ)。 本当の所を言うと、ロシニョールのBANDIT XXや、サロモンのX-SCREAMのような、バリバリのカービングスキーの格安品を探していたのだが、そんな人気モデルの特売品が見つかるはずもなく、結局これに妥協した。

 とは言っても、トップ100mm、テール90mmと、ゲレンデ用・山用以上に幅広で、おまけに柔目のフレックスなので、深雪にはすこぶる強そう。ある程度スピードに乗れば、スノーボード並とはいかなくても、そこそこ浮遊感を感じることも出来そうだ。

 これに、長年の夢だった、ジルブレッタ#404を思い切って付けようとしましたが、資金的に足りなくて(苦節20年、ウーンまだ先は長い!)、結局古い金具(ビネッサ)を付け直し、なんとか購入にこぎ着けました!(パンパカパーン!)。


 こいつの使い勝手についての感想を、下記に記します。比較の対象として、私のゲレンデ用板(デモ用195cm。以降Myゲレ板と略します)としました。

  • 深雪で簡単にスキーが浮きます。
       さすが板が太いせいか柔らかいせいか、ターン後半時にしっかり踏み込んだ後、ほんの軽く抜重するだけで、板が雪面からふわっと浮き上がります。Myゲレ板より深雪がはるかに面白い!。

  • 深雪でバランス保持が楽。
       これもトップとテールが太いせいか、Myゲレ板より短いこっち(178cm)の方がはるかに、前後のバランス保持が楽。Myゲレ板では、トップが深雪に刺さらないようほんの少し後傾を保持するなどの小細工が必要でしたが、ナチュラルスタンスで滑れるこっちの方は、バランス保持が難しいロングターンも行けちゃいます。

  • 悪雪でも小回りが利く。
       いかにも引っかかりそうな太いテールなので、多少の使いづらさは覚悟していたので、これは意外でした。これも短いのとフレックスが柔いせいなのでしょうか。抜重して切り返すと、テールが悪雪の中でも引っかかることなく、楽にずらすことが可能でした。

       また悪雪で特に苦労するターンのきっかけ時も、エッジを切り返すだけで、逆ハの字に広がったトップのインエッジが雪面を掴み、スキーが簡単にクイッと谷に向きますので、これなら苦手な悪雪も楽しめちゃいます。

  • 硬いバーンでの安定性は、やはりこんなものかな?。
       やはり、深雪・悪雪の乗り易さ・小回りの良さと、硬いバーンでの安定性は反比例。レディース用の柔らかい板なので、硬いバーンの安定性は、Myゲレ板の方がやはり有利。とは言っても以前まで山用で使っていた板よりはずっと安定するので、以前の山板とMyゲレ板の、ほぼ中間的な感じ。ガチガチのアイスバーンはともかく、クラスト斜面程度ならこれでも十分いけそう。

  • 登りの時のシールの効きがちょっと落ちる。

       これは欠点と言うほどの事ではありませんが、シールよりうんとはみ出したソールが悪さをするのか、特に急斜面を斜めに登る際のシールの効きが、従来よりちょっと落ちます。体感的には1〜2割程でしょうか。まあこの程度なら気にするほどの低下ではありませんが、硬いバーンをジグザグに登るときはちと辛いです。でもカービング板用の太いシールが市販されているそうなので、今のシールが駄目になったら、これにしようかと思っています。

     正直カービングスキーがこれほど山スキー向きとは、山で履いてみるまで思っても見ませんでした。但し、

  • あまりセンターが絞り込まれた板だと、山用ビンディングが付かないかも?
      (私の板のセンター幅は70mmあったので、大丈夫でした)
  • 山用ビンディング装着を前提としていないので、耐久性はどうかな?
      (山用ビンディングのトップ部には強い力がかかるので、山用板のビンディング装着部は、普通の板より補強してあるそうです)
    なので、山用ビンディングを扱っているショップで、アドバイスを受けてから、板と金具セットで買う方が無難でしょう。
     よし!、来年こそは、パウダーカービングと言うジャンルの板に、長年の夢だったジルブレッタ#404を履かせた組み合わせで、山にチャレンジしてみたいなあ!と、もっと欲が出た私でした。そこで、どこかに格安のモデル落ちないかな?と探していたら、この板を買ってわずか一ヶ月後、なんとまたまた山用にカービングスキー買ってしまいました!
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