わかりやすいわかりにくい

わかりやすいボケ、とはいったいどういうものでしょうか。

今日は、その辺を先生に聞きたいと思います。

 

先生「みなさん、こんにちは。今日は、わかりやすいものとわかりにくいものの説明をしたいと思います。」

生徒「先生。その前に先生が何かわかりにくいのですが。」

先生「先生は、「コードのついた犬」です。わかりやすいでしょう。」

生徒「はあ。」

先生「それでは、まず四コマ漫画のオチを考えてもらいます。三コマ目まであるので四コマ目を考えてください。」

生徒「はい。」

先生「この人はなぜ笑われたのでしょう?それがこの四コマ目のオチであるわけです。」

生徒「できました。」

先生「うーん。わかりにくいですね。」

生徒「えっ!?」

先生「いいですか。まずはじめに、日本住血吸虫自体がわかりにくいです。住血吸虫科の扁形動物で、人畜の血管内、特に門脈系に寄生する吸虫で、日本で初めて発見された。体は糸状で、体長七〜二五ミリメートル。雄は乳白色で、体の後半部には雌を抱くための特別の管(抱雌管)をそなえていて、雌は暗褐色で雄より大形。中間宿主はミヤイリガイで、幼虫であるセルカリアは水中を泳ぎ、人畜の皮膚から侵入する。東南アジアにも広く分布していて、門脈系に寄生すると、感染して約一か月後になると、食欲不振や頭痛が起こり、ついで寒気がして三八〜四〇度の高熱がでて、。赤痢のような下痢、腹痛を起こし、血便が出るようになり、慢性期に移行すると、肝臓や脾臓がはれ、腹部が膨隆することや、広島・山梨・佐賀の各県などに多くみられるなんてこと、普通の人は知りません。」

生徒「じゃあ、ビルハルツ住血吸虫だったらいいんですか。」

先生「そういうことではありません。住血吸虫になぜそんなにこだわりますか。そもそも寄生虫マニア以外は住血吸虫なんか知らないんです。それに、住血吸虫は経皮感染するんです。そんなもんがいるベンチに座ったらこの人は間違いなく感染するでしょう。笑い事じゃありません。」

生徒「あっ!」

先生「わかりやすいというのは、見ている人の倫理の許す範囲を越えてはいけないのです。あの人が食欲不振や頭痛が起こり、ついで寒気がして三八〜四〇度の高熱がでて、。赤痢のような下痢、腹痛を起こし、血便が出るようになり、慢性期に移行すると、肝臓や脾臓がはれ、腹部が膨隆するのを笑っていいものでしょうか。」

生徒「あっ!」

先生「わかりましたか。」

生徒「私が間違っていました。」

先生「わかりましたか。ではこういうのがわかりやすいオチです。」

 

生徒「くわっはっはっはっ!はーっはっはっはっはっ!」

先生「笑いすぎです。」

生徒「はい。」

先生「では、次の四コマ漫画です。今度は分かりやすいオチを考えてください。