見ると、それは一匹の子狐じゃった。
「吾作どん、吾作どん。わしは、村のものが
うりよう狐とよんどるもんじゃあ。 」
「なんじゃ、あの悪たれ狐か。太郎兵衛どんの家を
冷凍マグロまみれにしおった。
いまだにに太郎兵衛どんは毎日が鉄火巻きじゃあ。」
「あの時のことはわしも悪かったとおもっとるんじゃ。
な、それよりも吾作どん。わしはお前さんに頼みがあるんじゃ。 」

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