シーン16:イグニス(逆位置)

GM
お待たせしました! レンで御座います。やっぱ六人はイカンよ。 えー。で、レンがレオンを見失った理由は、姉貴を見かけたからだ。 なんと、豚を率いているのが姉貴じゃねぇか。
レン
あれ? 声かけるのも…
GM
どうする? 向こうはこっちに気がついたみたいだけど。
レン
隠れる。<隠密>(コロコロ)1。監視を続けよう。本当に姉かどうか。
GM
お姉さんは君の居た方向を見て小首を傾げてから、再び豚を指揮し始める。
「燃やせ、燃やせ! 本物の魔女が帰ってきたことを思い知らせるのだ!」
レン
ほんなら、前に出てみよう。
「お姉ちゃん、何してんの?」
GM
君の姿を見た姉貴殿は、初めびっくりした後ちょっと涙目で抱きつく。
「い、生きてたんだね! 生きてたんだね!?」
レン
「それはこっちの台詞… それで、何してるの?」
「リーフェイ」
「見てのとおり。復讐」
レン
「復讐って… 村はもう無いじゃない」
「リーフェイ」
「あの後私はね… どの村に行っても魔女扱いされたの。もう、人間なんか信じられない!  だから、私はこの豚さんたちの仲間になったのよ」
レン
お、お姉ちゃんがついに壊れた…
「だ、だからって豚を信用しなくても良いじゃないの…」
「リーフェイ」
「違うの。豚さんたちも、私たちと同じ差別を… 不当な差別を受けてきたのよ。 だから私は豚さんたちと手を組んで、悪い人間を焼き滅ぼすの」
レン
「それは… 本当に不当なの? オークだって殺戮を繰り返してるじゃない。 それは差別なんじゃなくて、敗者なだけであって…」
「リーフェイ」
「レン… 解って… お互い様なのよ。どっちが先に手を出したかなんて、もう解らない事なのよ。 むしろ、こうやって共存していく事こそが、本当にあるべき姿。レン。手伝って。 外見や、匂いなんかで差別する人たちは、みんな悪い人たちなのよ」
レン
「…あんな、お姉ちゃん… それで、邪悪やって言う事は人間を差別してるって事なんやで…  お姉ちゃんは、いっしょの事をしてるんだよ?」
「リーフェイ」
「そう… レン、あなたも解ってくれないのね。解ってくれないあなたなんか、妹じゃないわ」
血の涙を流しながら首をしめるお姉ちゃん。[宴]が起こる。
レン
「おねえちゃん… 私はこの5年で変わったんだ。敵は殺すっ」
≪雷撃≫ (コロコロ)Iの7点
「リーフェイ」
「痛っ! そうか貴様。レンの偽者だな! 私を惑わそうとしてもそうはいかないぞ。 おいで諭吉!」
ドラゴムが…
レン
ぜ、ぜんりょくしっそー… あ、いや。≪消失≫(コロコロ)成功。
「リーフェイ」
「レン… レン… あなたは今どこに居るの…」
血の涙を流しながらドラゴンの背中に乗って、ずむーん、ずむーん、ずむーん…
ちーともちっちゃくならないドラゴンと、燃え上がる町。
レン
「私には、もうどうする事も出来ない…」
基本的なものとしては… 新たな因縁を取らせる 特殊な因果律を与える 物語を終わらせる …この3つが代表的でしょう(続く)
***編集後記
「レン、解って。お互い様なのよ」

 傍目に見ると結構シリアスなシーンなんですが、セッション中は大爆笑の渦。 一番笑ってたのは俺なんですが。いや、良くここまで舌が回るもんだ。

 レンのPLでなければ確実に説得できたのではないかと(笑)

 シナリオ作成時、リーフェイ自身はレンの姉でもなんでもなく、 レンの村を焼き滅ぼした“仇敵”だった。つまり、血縁になったのはイレギュラー。 いやぁ、イレギュラーがいい方向に働いてくれてるよ。

 血縁者が堕ちているのは、簡単にドラマが生み出せて良いな、うん。