刻印
∵魔器∵
Ventus
(C)
弐
〇
〇
壱
年
▼
G
R
T
▲
無
断
転
載
禁
止
Ventus
「0」 |
「エーテルの精霊」 |
「風」 |
「きらめく知霊」 |
「扇」または「短剣」 |
「王子」 |
「知力」 |
ウェントスは知識を運ぶ者である。かの神によって運ばれる知識は膨大で、
ある部分において収束し知識を築き上げている。だが、それは知識を築き上げられる安定した場所と、
それだけの存在がいる時である。何故ウェントスが時として愚かなる者と言われるかを考えれば、すぐに答えは出るだろう。
ウェントスは情報を運んでいるに過ぎないのだ。真に賢き者はウェントスより与えられた情報から、必要な物と、
必要でない物をより分ける。愚かなる者はウェントスより与えられた情報を全て我が物にしようとして、全てを無駄に費やす。
世界中の空気は、1人の肺には収まらないのだ。「愚か者」とは、そう言った事柄に対する暗示である。
ウェントスの運ぶ情報は古今東西のありとあらゆる情報で、真偽の程もまた非常に怪しい物から、普遍的絶対の真理まで幅は広く底は無い。
世界中を世界中に伝えて回り、新しく仕入れ、一つ所に留まることなく、再び伝えて回るのである。ゆえに、「風」であり、「きらめく知霊」である。
この「風」は世界に満ちる物としてエーテルと呼ばれる事があり、それゆえに「エーテルの精霊」とも呼ばれる。
また、「風」をイメージする為に、風を起こす扇や、風切音を起こす短剣はウェントスの象徴として使われる。
ウェントスの持つ二面性、知識に振り回される愚かなる者と、より分ける賢き者は、一国の若き王子と同じである。
裕福で苦労を知らず勉学に励む事ができるが、それは自ら手に入れたものではなく、運ばれてきた物である。その王子が立派な王となるかどうかは、
正しくウェントスのみが知ると言ったところであろうか。ハイデルランドにちょうどいい例がある。カール・フォーゲルヴァイデと、
アンセル・フォーゲルヴァイデの両名を対比する事は、ウェントスにより与えられた情報がどの様に影響を与えるかを知る上で、
大きな手助けとなるだろう。
さて、以上の点を踏まえて、古代儀式として出来そうな物を例として以下に挙げておく。
この儀式に何が必要であるかは、各個人で考え見出すといいだろう。
- 知識の魔神召喚
-
実にオーソドックスな古代儀式のパターンの一つ。ただし、
この時召喚される魔神が与えてくれる知識は、あまり信用しない方がいいだろう。
同様に情報の魔神を召喚すると言う手もある。魔神からランクを下げて、
単純に占いを行うと言うのもウェントスらしい活用の仕方だろう。
- 移動用の魔方陣
-
奇跡を模した物。人に限らず、ありとあらゆる物品などを運ぶ事も可能だろう。
魔方陣形式の物で他に思いつく物と言えば、強力な風を発生させ続けるものや、
伝言を記憶させておくと言う物がある。応用として、魔方陣を小型化し、
二人以上の間で情報をやり取りすると言うのも可能だろう。
- 攻撃的な魔法
-
どこか別な場所にあるものを突如として対象の目の前に降らせたり、
空気の固まりそのものを直接ぶつけたりと様々なものが考えられる。
対象周辺の空気を全て無くしてみたり、逆に許容範囲以上の空気を対称に送り込むと言うのも有るだろう。
補助的なものとしては向かい風を追い風に変えると言うのが無難なところだろう。
しかし、これを行うのであれば、ウェントスの力を用いるよりもエフェクトスの力を用いた方が、
より簡単でかつ精度の高い結果が得られるだろう。