FUJI CABIN  TVC-15
 
 マッキントッシュ風味のオシャレなパッケージ。説明書も簡潔で実車解説等は無く、マニア向けのイヤラシイ感じのしないレジンキットです。品質面でも、歪みのない綺麗な仕上げの原型、抜きの良さ、組み立てやすそうな分割、ディフォルメの効いた可愛いボディ、とガレージキットとはいえ「一般向け」とも言える商品らしい商品です。素直に組んでキュートな姿を楽しみたいキットです。勿論お気に入りです。
 キット内容
 基本的にアイボリー色レジンのボディとパーツ(約20個)で出来ていて、一応エンジンもあります。例外としてタイヤが黒いレジン、前後のライトが透明レジンで出来ています。私のは透明パーツは白くなっていて使えそうにありませんが、これは元々オマケだと考えて他から流用するのがスジかと思います。
 ボディラインはルーフ形状にディフォルメがありますが、シャキッとした左右対称型だし、可愛いから許せちゃいます。私は。
野暮な事を
 私の見たところTVC-15のキットは、前期型と後期型の特徴が混ざっていると思います。私はこういう仕様を知りません・・・(もしご存じの方は是非お知らせ下さい)。右ドアの存在と、Fホイールアーチ上のヒゲがドアにまで達している点を除けば、前期型と見て良いでしょう。ハンドルは後期の「下が直線の丸ハンドル」が付いてますが、そういう実車が残っている以上、なんとも言えません。(逆に後期型ボディで前期のM字型ハンドルを付けた写真もあります。)
 とにかく、小さいけれど存在感の有る名車だし、部屋に飾ってあるだけで気分が和むような「いやし系」の模型です。カーモデラー以外の人にもお勧め。素直に組んで飾ってこそ「イキ」なキットでしょう。
http://www.tvc-15.com/ メーカーのサイト。オシャレ。

 ボディについて

 1年ほどの期間、85台しか生産されていないと言われるフジキャビンですが、細部の変更点は結構多く、逆に生産当時の写真が極度に少なくて、興味はつきません。
 
 実車のボディはFRPによる手作りです。大きな雛形を用意し、それに合わせて成形される事を考えると、ボディ各部のモデルチェンジは一括して行われたと推察します。今のところ、試作型、前期型、後期型、の3種類が確認できるのですが、例えば、「前、後期」両方の特徴を持った中間型のようなボディは無いんじゃないかと思ってます。ボディ以外の部品レベルでの変更は多々ありそうですが。

 前期型ボディ・・・ドアが助手席側にしか無く、ヒゲ(バンパー?)が短い。ボディ上下の分割ラインがある。ハンドルは「M字型」の飛行機の操縦桿風。なお、口の横にエクボが有るのは10台程作られたという試作車でしょう。

 後期型ボディ・・・ドアが左右に。ヒゲはドアに達する。上下分割ラインは消える。前と横の窓の形状が少し変わる。前窓は下部のラインが湾曲し、ダッシュボードに相当する部分も太く湾曲した感じに変化。前窓自体が前進しているらしく、その分ルーフが長くなりフォルムが異なってみえる。格好良いメータークラスターが付く。

 これらは、もともと軽量化と強度の両立を考えて片側ドアだった設計を、無理に両側ドアに変更した為必要になった、補強を主眼にした改修だったと思います。ルーフもFRPのプライ数が違うという情報もあり、総重量も多少増えたんじゃないかと思います。 

 以上、間違いがあるかも知れませんが、こんな感じです。


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