タトラ 87 1/35 
 MMKの新製品 タトラ87!
 MMKはチェコのレジンメーカーで、戦中型のタトラ111や、タトラ27、戦後のタトラ128、141、813(怪物!)等、タトラ製トラックを精力的に出しています。今回は個人的に最も好きな車の一台が登場です。
 MMKの品質は、気泡が少し有って、一部のパーツを「自作に近い加工」をしなければならない一昔前のレジンキットのレベルなのですが、これはチェコでの精一杯の「抜き」なのかも知れません。他のチェコ製キットにもそっくりな品質の物が多いのです(プラスモデルは別格)。・・・だから、そのことを今は云々したくありません。 抜き以外の部分では、正直で真面目に作られていて、気の毒なくらいのタトラへの思い入れを感じます。私の様な「タトラ馬鹿」には、完成後見えなくなるエンジンや室内など、実車を知る上で欠かせない立体資料でも有ります。
 見よ!この独特スタイル!
 一目見た感じで良いスタイルだと思いました。カーモデルの場合、パッと見の印象が大事で、実車写真と見比べてアレコレ粗探しする物では無いと思うのですが、このキットは実車写真と比べてもあまり幻滅しませんでした。ただ、ボディ下端が「ウォーターライン」風にバッサリ削られた感じで、特に後ろに行くに従ってより削られている感じの処理には疑問が有ります。その為、本来、ドア上端(窓下端)は水平なのに、後方に行くに従って下がっていき、パースペクティブ・モデルの様な「頭でっかち」になってます(アウトバーンアドラー風?)。いずれにしろ作る際は、ボディ下端にポリパテを盛って整形して修正したいと思います。

 なお、ウチのリンクページにある各タトラ・サイトや、オールド・タイマー・ギャラリーで美しい実車の写真が見られます。
 エンジンと隔壁。
 抜きが良くないと先に書きましたが、実はこのような一発抜きを好むメーカーでもあります。これで気泡が無ければ最高なんですが。

 エンジンは空冷V8で、リアに完全にオーバーハングして搭載されます。タッカーの10年前の車なのに・・・。隔壁には(上下逆の写真ですが)窓が2つ有ります。これは実車写真では気付かない部分です。客室/エンジン室間にはガラスが入りますが、ボディにある後窓は、エンジン室のルーバーを兼ねた覗き窓なのでガラスは入っていません。また、ボディ後部には「垂直尾翼」が有るので、そのルーバー/窓は左右分割で、この隔壁の2枚窓を通した後方視界は非常に限定された物であった事が模型を見て分かります。
 キレの良いエッチング・・・でも・・・
 チェコのメーカーはキャスティング部品は苦手の様ですが、大抵、品質の良いエッチングとデカールが入っています。このキットも、「エクストラテック2000」と書かれたエッチングとデカールが入っています。
 問題なのは、そういうメーカーは、本来レジンやメタルで用意すべき部品をエッチングで済まそうとする傾向が有ること。エッチングなら部品が増えてもコストが変わらない場合が殆どですが、キャスティング部品は直接的にコストに影響する物です。このキット最大のビックリは、前後のバンパーがエッチングで用意されている事でしょう・・・。これを上手くプレスして立体にするなんて不可能です・・・。また、上で書いたルーバー/窓もエッチングで用意されていて、綺麗に抜けているのは良いのですが、ボディの曲面に馴染むかどうかは不安です。
あとがき
 とにかく、タトラ及びT87に関して書こうとすると、冷静さを失いかねないので、キット内容に限定して簡単に書いてみました。これがこのコーナー本来の姿ですが(笑)。

 シックスライトウインドウの大きな車で有るにも関わらず、各店で5,000円を切る価格で売っているそうです。これは好きな人には買う価値があるのではないでしょうか・・・たとえ完成が難しいとしても・・・。私はマムートさんの通販で入手。

 レジンキット、エッチング、デカール、窓用透明アクリル板付き。

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