TEMPO G-1200 1/35 
 番外編なのだ。
 タトラ57Kと同様に、ほりの侍さんがマムートさんで購入した物です。画像、情報の提供をして頂きました。これも私は買うつもりです。
 知っている人が見れば、名前は浮かばなくとも、「あ、アレ。」という、キャッチーなデザインです。テンポはドイツの弱小メーカーで、オート3輪みたいなトラックが一部では知られています。実車は数台残っているようです。

 ドイツ車ですが、詳細に見ると意外とシンプルで面白いメカを使っている車で、頭デッカチなドイツ的アイデアでありながら、チェコの職人的スマートさが感じられます。そんな事もあってチェコに実車が有ったり、チェコのメーカーがキット化したりするのでしょうか。非常に凝った作りのこのキットは、愛情が感じられます。
 素晴らしい!
 最大の特徴であるパワートレーンに注目。前後に600ccのFFユニットを積んだようなレイアウトの4WDです。シトローエン・サハラを思い出しますね。路上では後部のエンジンのみを使い、不整地では両方を使うのが基本らしいです。フレームは鋼管バックボーン。タトラ的です。

 実車写真で変な支柱のバンパーだと思っていたのですが、この写真で理解出来ました。鋼管フレームとバンパー取り付け部を同じ径にして、エンジン/駆動径ユニットを前後どちらにでも付けられるようにしていたのですね。

 これを見ただけで、このキットの出来は想像できるのではないでしょうか。
説明書より。(画像をクリックすると新しいウインドウが開き説明書全体が表示されます。)

 パーツの全体像は説明書をご覧下さい。へぇ〜ライトのレンズも入ってるんだ。

総論
 キットには、デカールとエッチングパーツがセットされています。品質はタトラ57K同様で、非常によさそう。個人的にはタトラよりこちらの方が、メーカーが力を入れている様な印象を受けます。値段も十分安いので、買い!。
 ほりの侍さんから実車解説のリクエストが有りましたので知っている範囲で簡単に・・・。

 ヴィダル・ウント・ゾーン/テンポは、カーマニアにも殆ど知られていないメーカーですが、小型3輪トラックなどちょっとマニアックな車両を作るメーカーでした。前1輪の3輪トラックでもボンネット・グリル形状・ライトの位置など、このG1200に似たデザインなのが面白いです。
 名前のG1200とは「Gelandewagen 1200 ccm」を意味します。600ccのエンジンを前後に積んでいるので足して1200 。戦車マガジンでは85年12月から3号連続で現存する車両を掲載しています。実車のディテールを知るには最高の資料でしょう。なお、ここでは「テライン・カーG-1200」と良く解らない名前を強調していますが、これはGelandewagenの英語直訳「terrain car」です。勿論だれもこんな呼び方をしません。

 生産数は極少なかったと思われますが、バート・ヴァンダービーンの古い資料にも、キットの説明書にも40ヶ国に主に軍用として輸出されたと書いてあります。ドイツとフィンランドは使ったらしいのですが・・・ホンマかいな。

 ほりのさんのキット購入と時を同じくして、テンポのサイトが出来ました。写真は少なくドイツ語ですが、メーカーの解説が載っています。(G-1200のサイトではない。)http://www.Tempo-Dienst.de/ 

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