ひとり言第7ページ
ビバ!ファーマーモデリング11/25
 以前、金子辰也さんのカキコがあって以来憧れていたトラクターのキットをやっと手に入れました。店の親父は、わざわざ遠くから買いに来たという事で安くしてくれました。そして800円のプロターカタログも付けてくれました。ほとんど「遠慮は要らないから温まって行きなよ。」の世界なのです。
 箱には「IL MIO TRATTORE」と書いてあります。思いっきり意訳するとプロター版「俺のマシン」とでもなるのでしょうか。説明書には「NOV 29 1972」のハンコが有りました。古いですね。昔のイタリアの空気も嗅げて得した気分になります。

 帰路、待ちきれずに車を止めて、どことなく宅配ピザ風の箱を開けると、想像していたより大雑把な感じのパーツがごろんとしています。スケールは1/9だから完成したらかなり大きくなりそうです。1/9は同社のオートバイや自転車と同じスケールなので色物扱いはしていない様です。もしかするとこれは単純な農耕トラクターというだけではなく、サーキットでのレース車の牽引なんかにも使われたのかもしれません。そういえばアメリカのインディカーのキットに小さいトラクターがセットされた物がありましたっけ。

 私は農耕トラクターに、AFVやF−1マシンの様な機能美を感じています。このPGSというトラクターは一見複雑な機構を採用していますが、やはり余計な物は省くというコンセプトははっきり見て取れます。写真でもわかると思いますが、ステアリングハンドルの根元あたりで車体自体が「屈曲」します(アーティキュレイト)。車輪側にはステアリング機構もサスペンションも有りません。
 前車体にあるエンジンからユニバーサルシャフトを通して後車体の変速機に動力を伝え、そこで変速後の動力をもう一本のシャフトを通して前車体に戻し、4輪駆動を実現しているようです。足回りは上下にスイングしませんし、車体側も捩れ回転をしそうにないので、不正地では車輪の幾つかが浮いてしまいそうです。・・・という事でデフも無いんじゃないでしょうか?

 なお、シートはプラを溶かすゴム製です。私のキットは軽傷で済んでますが、お持ちの方は保存にご注意下さい。
嬉しかった話11/23
 例えば、タマタマ何処かで聞いた歌が気に入ってしまう。そしてその曲が、実は自分の好きな作曲家による作品だった事を後で知って、妙に嬉しくなってしまう。そんな経験は誰にでも有ると思う。

 オーストリアに「シュタイヤー・ダイムラー・プフ」という自動車メーカーがある。戦前からシュタイヤーはチョイト他とは違う車を作っていて、個性的で魅力的であった。偉大な(それに少し変な)設計者であるポルシェやレドヴィンカが、会社と喧嘩して辞めたあと一時的にここで働く位、「特殊な設計」に理解のあるメーカーであった。

 戦後、このメーカーは「ハフリンガー」「ピンツガウアー」という個性的な車を作っている。この車は個人的に好きな車であったが、チェコのタトラ(というメーカー)が好きな私は、「メカは面白いけれど、タトラの真似だよ。」と思っていた。

  ・・・今回のCCV誌ではタトラのトラックと「ピンツガウアー」の記事があり、タトラの設計者ハンス・レドヴィンカについても触れている。この記事によると戦後レドヴィンカ親子はシュタイヤー・ダイムラー・プフで設計の仕事をしていたという。つまり、ハフリンガーやピンツガウアーは、「タトラの真似」ではなく、「同じ人の設計」であったのだ。本家のタトラは戦後もレドヴィンカの設計を引き継いでいるので、戦後、タトラとシュタイヤー・ダイムラー・プフの2社がレドヴィンカ流を守っていた訳だ。

 友人は良く知っている事なのだが、私の乗りたい車の筆頭に「フィアット500」がある。出来れば「シュタイヤー・ダイムラー・プフ」がライセンス生産した「プフ500」なら最高である。これはボディに余計なモールが付いてしまったのが残念だが、エンジンは独自の水平対抗型を採用していて、非常に興味深いのである。
 以前、家から歩いて3分の所にある電装屋にフィアット500が置いてあるのを発見。その開いたエンジンフード内を見てビックリした事がある。見覚えのある直立エンジンではなく、水平対抗だったのだ。ああ。プフ500に乗っている奴がいるんだ! それ以来、私の憧れはプフ500になった。

 さて、ようやく本題である。このプフ500の設計にもレドヴィンカが関係していた様である。設計と言っても、ライセンス生産だから、話は換装したエンジンに尽きる。ビートルの手本になったタトラの設計者が、ビートル後の世代のリアエンジン車に水平対抗を積んだのは面白い話だと思う。(元々、空冷水平対向はタトラが本家だが、タトラ製リアエンジン車はV型だった。)

 この様にポルシェの影響も見られるプフ500が、私の最も尊敬する自動車設計者であるレドヴィンカ(タトラ)とジアコーサ(フィアット)の合作でもある考えると、とんでもない名車に思えてくる。「タトラは欲しいが実車は一生ムリ。」と思っていたが、「プフ500」なら夢くらいみても良いと思う。

 久しぶりの更新で暴走気味。訳わかんないっしょ?すんません。
謎の円盤。アゲイン!。10/30
 以前、モデルクラーク製1/700、ロシア海軍円形砲艦「ノブゴロド」をネタに「ひとり言」しました。
 その後、掲示板にて、他にも幾つかキットが出ているとの情報を得て、もっと欲しい!と、思ったものの、素性の解らないメーカーばかりで半ば諦めました。

 ところが、そのすぐ後、久しぶりに某模型店に行ってみると、見なれない「フィンランド仕様バッファロー」のキットを発見。その「ミラージュオーシャン」というメーカーこそ、ノブゴロドを出している酔狂なところ。思わず即注文。それがようやく届いたのです。

 ミラージュオーシャン製1/700。どうやら仙台の個人メーカーによる物で、手流しによるレジンキット。キットレビューコーナーじゃないので、内容についてはノーコメント。「こんな形の船なんです。」という補足のつもりで取上げました。イカスでしょ?
ドラゴンWolfおじさん10/19
 思わずドラゴンの「GIジョー」(って言い方ダメかな?)を買ってしまいました。シュタイナーさんのHPでこのサイズのティーガ−を扱ったスゴイ作品が載っていて、このシリーズが気になりました。

 私が買ったのは、「迷彩ポンチョにパンツァーファウストとライフル」という大物装備品が付いた素人好み(笑)の奴です。ポンチョを脱がすとタダの名のない陸軍歩兵になり、最初としては良い選択だったかもしれません。最初にキラキラ賑やかな小物の付いた偉い人を買うと、次に「下っ端」を買うと損した気分になるかもしれません。

 GI-JOEというと、短足ガニマタだったり目玉ギョロリだったりのイメージがあったのですが、このドラゴンは別物ですね。小火器類を自作したくなりました。そのうちフランシーヌのキット化予定欄に「1/6、チェコの機関銃」なんてのが載ったら笑ってください。
昔は凄かった。10/4
 この軍服着たトリス親父みたいなフィギュアは、二十数年前、家の近所の「山の手ストア」で買った「プラモデル」である。沢田研二の衣装の、「かぎ十字」の腕章がイカン!という事でタダのバッテンに変更される前の話である。

 このキット。実は売っているのを一度しか見たことがない。それを買って未だに保存しているのだからお気に入りの品と言えるだろう。マーケティングというツマラナイ物が今ほど幅を効かせていなかった時代、結構、変な物が多かったのだ。

 かすかな記憶では、箱の横にはシリーズ4種類の絵が描かれていたが、SF風(スペクトラム風?)の金ぴかの物があったりして、リアル(?)なのはこれともう一つくらいだった。このキットは左手にラッパを持った軍楽隊のような気がする。シブイ。
 誰かこのキットの未組み立て品譲ってくれないかなぁ。この二十数年間、本物は勿論、雑誌等でも見たことないんです。
中華的多宝塔9/27
 上海LEE社製のプラキット、1/250「黄鶴楼 建筑模型」を買った。近頃、中国や台湾のキットを直接少量仕入れしている「あいの里ホビー2」で購入。1000円であった。

 箱の大きさは1/72のカールやレオポルドと同じで、ランナー4枚と、屋根部品5枚と少々、それに何故かムギ球5個の付いた電池ボックス入り。非常にお買い得な感じである。成型色はアイボリーで、箱の写真を見るとレジンキットに見える。実際は「レジン製に見える」というより「アイボリー(象牙)に見える」という効果を狙った物だろうけれど・・・。

 ・・・ということで、コレを無塗装で仕上げ、クリアーを吹き、ちょっとばかり墨入れすれば、超高値で売れるかも知れない。・・・インチキ宗教の教祖なら・・・。

 なお、写真は説明書をデジカメで撮った物。最上階だけ左にずれて見えるのは謎である。
謎の円盤(ポーランド製)9/19
 Modelkrakというポーランドのメーカーは、何故か日露戦争物を中心とした、1/700艦船をキット化していて、現在はまだ数は少ないものの、今後予定されているラインナップはナカナカ見事で楽しみである。
 日露物の戦艦「スワロフ」と「ペレスヴェート」を買って見たところ、原型師の腕、抜きの上手さ、共に高レベルであった。ただ、ディテールに関しては「寸止め」状態で、このメーカー自身のフォーマットとして理解できるが、ウォーターラインシリーズと比べるとちょっとだけ違和感が少々あって困っちゃうのである。

 右の図は、同社の砲艦「ノブゴロド」。説明書からの無断転載である。というのも、キットのパーツを写真に撮っても何だか解らない位アヴァンギャルドな形であるから・・・。
 本艦は、「砲のプラットフォームとして最も安定した形は円形である。」という理想主義で設計された物であったが、当初の予定通り河川に浮かべて様子を見たところ、川の流れで回転してしまって全く使い物に成らなかったというチャンチャラ可笑しい結果に終わった。
 ところでこのキット、本物の写真と比べると全然形が違うのである。本物は改修した事あるのだろうか。ちょっと気になる。
スゴイぞ!マケット商法9/15

 ちょっと前に「ZIS-30自走砲」なるキットを買った。コムソモレツ牽引トラクターに57ミリ砲を積んだ車両で、キットはAERのコムソモレツに、イタレリの76,2ミリ砲をセットした物。砲身のみ簡易インジェクションの物に換えて57ミリ砲と言い張るインチキ臭いキットであった。

 本日、「ZIS-2対戦車砲」なるキットを買ってしまった。ZIS-30自走砲と同じくマケット製で、「リミテッドエディション」と箱に書かれている。さて、それを買って店で箱を開けてみると、意外というか当たり前というか砲は上記の「インチキ臭い物」と全く同じであった。それに簡易インジェクション製の酷い出来のリンバーが入っているだけ。正直想像はついていたが、良い方に裏切られる事を期待したのが馬鹿だった。この手のキットは恥ずかしいから「リミテッド」なのである。

 さてZIS-2対戦車砲の部品をチェック。あれ?リンバーのタイヤが入っていない!・・・と、思って良く見ると、イタレリの砲と同じ物が2個余分に入っていた。なんと!イタレリのランナーからもぎ取ったタイヤが入っているのである。最初「勿体無いなぁ。大砲のランナーからタイヤだけ取って、他は捨ててるの!?」と思ったが・・・。

 家に帰って先のZIS-30自走砲の箱を開けてランナーを見ると・・・ああ!タイヤがもぎ取られている!。つまりZIS-30自走砲に不要のタイヤをもぎ取ってZIS-2対戦車砲にセットしていたのである。と言う訳で、ZIS-30自走砲を生産してタイヤを取らない事には、ZIS-2対戦車砲のキットは生産出来ない事が解った。
 万が一、ZIS-2対戦車砲の人気があって飛ぶように売れるとしても、ZIS-30自走砲が売れないことには増産出来ない訳だ。どうやらそれが「リミテッドエディション」の理由とみた。
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