モデラコーナー  一般のモデラー、購入を考えている人、実際に持っている人・・・と、それぞれ興味の対象が全く違うと思います。興味の無いところは適当に読み飛ばして下さいまし。
モデラの必要性はアリ?
 モデラは、「俺は、模型は触った事ないがパソコンが得意だ。モデラが有れば一気に一流モデラーじゃ!。」なんて物では到底ありません(今のところ)。ベテランモデラーの方は安心してください(笑)。正直「アイテムによっては補助的に使える。」程度だと思います。
 私が必要性を感じるのは殆ど唯一「左右対称の曲面を削れる」という点に限ります。手作業では複雑な曲面を左右対称に作るのは大変です。しかし、モデラはデータを反転するだけで作れるのです。

 一方で平面構成の物には必要性を感じません。プラ板を切って作った方が遙かに早く綺麗に出来ます。モデラで平面を削っても加工痕が残るので、それを平滑に仕上げる段階で余計な手間と技術を要します。(ただ、プラ板の切り出し自体をモデラでやって、パーツ化したプラ板を組む方法は良いかも。)そうそう。仕上げの手間と言えば素材の問題もあるのです・・・次。

モデラで使える材質
 ・・・あまり多くないです。各動力が弱くモデラ本体の剛性も低いので無理は出来ません。発泡材、木、ケミカルウッド類、等が推奨されてますが、どれも切削後の目止めか型取りしてレジン等に置き換える必要があります。この中ではケミカルウッド(サンモジュールのMH)が一番スケールモデル向きだと思います。爪で押すと痕が残る位の硬度なのですが。
 より目が細かく硬質なサンモジュールも有りますが、切削時間やツールの寿命を考えると個人的にはもう使いたくないです。

・・・実はモデリングワックスがいい!
 上記以外ではモデリングワックスがあります。モデリングワックス自体はロウみたいな物なので、直接パテ付けして仕上げる事は出来ません。また、以前ロウ(パラフィン)を削った時に、切削粉(キリコ)が摩擦で熔けてエンドミル付着して失敗したので、あまり良い印象は有りませんでした。しかし、実際に使ってみると、さすが切削用だけあって簡単には熱で熔けないし切削性も良かったです。一端レジンに置き換えてから仕上げる計画ならこれで十分ですし、身が詰まっている素材なので型取りには最適です。そして決定的に良いのは、質量が有るので埃が空気中に舞わないという点です。他の素材だと、上手く密閉してやらないと部屋中に埃が降り、パソコンと同じ部屋で使用するのも自身が呼吸するのも勘弁って思います。そうそう、切削粉を溶かして再利用出来るのも長い目で見ると経済的です。騒音も低く、エンドミルは安いハイス鋼でも長持ちするでしょう。

 工具径は6ミリ・・・で制約あり
 モデラには、6ミリチャックが付いています。このチャックの付いた「スピンドルユニット」は、3, 4, 5, 6, 3.175ミリの5種類のチャック径の物が別売りされていますが1個7000円もします。 エンドミル(先端工具の事)のサイズが1番豊富で安いのは6ミリ軸なので6ミリチャックが付いているのは適切ですが、刃部分の直径(刃先径)が6ミリ未満で、6ミリ軸(工具径)のエンドミルの場合、当然途中でボトルネック状に太くなるので、オブジェクトの形状によってはこの太くなった部分が当たるので注意しなければなりません。 一般的に細いエンドミルほど刃の部分は短くて深く切削する事が出来ません。
 この、「刃先径2ミリ 工具径6ミリのエンドミル」の場合、有効刃先は6ミリなので、6ミリ以上の深さを切削する場合は注意が必要です。マージン切削という設定を使えば余白部分を斜めに削って「逃げ」を作りますが、オブジェクト自体に垂直面が有れば深さ6ミリが限界です。

 どうしても細く深く削りたい場合は、工具径と刃先の径が同じ物を用意し、それにあったスピンドルユニットを用意すれば何とかなりそうです。なお、エンドミルの刃先径は0,1ミリピッチで各種ありますが、特殊なサイズは高い様です。安い「ハイス鋼」の他に、高い「超硬」エンドミルがあり、刃先が丸い「ボール」と、先が平坦な「ストレート」が有ります。「ハイスストレート」とか「超硬ボール」とか言います。刃先は4枚刃と2枚刃があります。初期のモデラのドライバソフトではボールエンドミルに対応してませんでした。
 手前の3x6ミリエンドミルは優れ物。有効刃先長が30ミリもあります(プラス数ミリの余裕あり)。マージン切削の使用頻度は大幅に減るでしょう。モデラのZ方向の動作範囲と素材の厚みを考え合わせると、この長さが限度に近いと思います。右奥がスピンドルユニット。さすが安物電動ドリルが買える値段だけあってガタは無いです。左奥はピンバイスを切って作ったチャック。「2.5次元切削」でケガキ針として使おうと思ってます。多分軸ブレが有って回転は出来ないと思います。
 その他・・・工具径6ミリのハイスストレートで、もっとも細いのは、0.4ミリ(工具長0.8)です。五千円程。
        工具径6ミリのハイスストレートで、刃先径0.8、工具長6ミリのロングタイプは使えそう。四千円程。
 
モデラ関係の素材及び工具は、簡単に注文出来る「合資会社 田木屋」がお勧め。


データ作成用に「六角大王スーパー」を買う。
 前作、傑作フリーソフト「六画大王」は結構古くから有って、その道の人には結構有名みたいです。私はデータがモデラに使えると聞いてROM本を買って使い始めました。(まだネットを始める前の話。ソフトはココでダウンロード出来る)。この「3Dのお絵かきソフト」は非常に簡素な操作方法で3Dデータが作れて心底感動しました。いわゆるCADではないので寸法を追った入力は一切出来ませんが、ビットマップを下絵として表示出来るので、四面図等を用意して上から線をなぞって3D化していけば十分なデータになります。(元々、出力寸法はモデラ側のセッティングで合わせるシステム。)古いソフトなのでパソコンの能力をあまり要求しないのも良いです。

 さて、本題の「スーパー」。こちらは大幅に機能を増やして登場した販売版です。別なソフトと言って良いくらい進歩していたので最初は操作に戸惑いましたが、多少慣れてきた現在では結構楽しんでいます。こちらは一応数値を見ながらの入力も出来るので使い方次第では立派なデータになりそうです。いずれにしろ9,600円は安いと思います。数万するCADソフトが使えなかったりする事もありますし・・・。私が使った範囲では、「スーパー」のDXFファイルはモデラに使っても問題ありませんでした。

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