実はモンキーも好きで、古モンキー３台（Z50M、Z50Z、12Vゴールド）が有る関係で、手元に幾つかパーツが転がっています。これとモトラのエンジンを比べてみようと思います。 モトラは６Ｖ電圧のCDI点火で、モンキーを基準とすると新旧の過渡期的な雰囲気を感じるのですが、パーツ面でもそれを感じます。
なお、ここでは、適当に手元にあったパーツと見比べただけで、モンキーの年式による違いはあまり考慮してません。 モトラのエンジンは複変速機以外は当時の4.5psエンジンと同じと思われるので、このコーナーは、モンキー用の2.6psエンジン、3.1psエンジン、82年当時の4,5psエンジン、一部、4.0psの現行カブ用エンジン、の４種を観察したことなります。
カムシャフト右がモトラ用です。一目で手前のボールベアリング部分の径が違うのが分かりますね。一見メタル支持タイプに見えますが、モトラには径の細いベアリングが使われていて、モンキーの古いメタル仕様とも、現在の両ベアリング仕様とも異なります。
左の12Vモンキー様は、ベアリングは大きいのですが、カム山は小さいです。 注目は、真ん中の１２Vモンキー用のハイカム（JUN製）と、モトラ用のカム部分が似ている（＊）という事でしょう。4.5psエンジンはモンキーから見ると最初からハイカムが入っている様な物なんですね（？）。
（＊）モチロン似ているだけで、カムプロフィールは違うと思います。
バルブ、スプリングカム山が大きく、リフト量が増えた分、バルブスプリングもモンキーより強化されています。左のスプリング１本が12Vモンキーの物で、モトラは大小２本のスプリングが使われています。モンキー用の強化スプリングとして売っている物もこんな感じですね。（なお、昔のモンキーは２本でした。弱いスプリングだったんでしょう）。 こう見てみると、カムに加わる力も相当違うはずです。カムチェーンも強化されているのでしょうか（？）
上のバルブは両方とも吸気バルブで、これも左がモンキー、右がモトラです。写真では分かりづらいですが、モトラの方は直径２０、５ミリくらいで、チョットだけ大きいです。同様に排気バルブも若干径が違います。
シリンダーヘッド。初めて左のモンキーのポート径を見た時は意外な細さに驚いたものです。右のモトラの場合はそこそこ大きくなっています。ヘッド自体はカムシャフトのベアリング径が違うので別物と言えるのですが、パーツを組んだヘッドのアッシー交換なら問題なく出来る筈です（Ｌクランクの3.1PSの場合）。
モンキー用としてハイカムや強化スプリングが出ていますが、4.5ps用のノーマルヘッドに代えると、それらのパーツと共に「ポート拡大」まで付いてくる様な物なのね？。
ポート径。「モンキー12V」−「モトラ」−「カブC50」
「小」−「大」−「中」
．．．ですね。写真では分かりづらいと思いますが、実物を見ると違いが明かです。
このカブは最近の4.0ps用と思われ、カムシャフトは比べていませんが上記モンキーと同様の細いモノでした。バルブ径もモトラより小さめです。現在、そのヘッド、カム、バルブ、の一式ごとモトラに装着して乗っています。やはりパワーダウンした感じはありますが、回転の伸びや始動性は良く、乗りやすくなった「気分」がします。少ボア・アップしたエンジンには良いかも。
ピストン。ボアアップ・キットの対応機種を見ると、モトラと現行モンキーなんかが同じ所にあるので両車のシリンダーとピストンが同様な事が分かります。これは同時に、クランクやコンロッドも同サイズという意味です。
で、同じでは面白くないので、モンキーＺ型から取り出した2.6psのピストン（左）とモトラのピストン（右）を並べてみました。こんなに違うんですね。 2.6psのピストントップは盛り上がっていて、素人目にはハイコンプ・ピストンに見えるのですが、見る人が見れば古い形にしか見えないそうです。現在のピストントップは平らで、バルブの逃げの分がチョットだけ凹んでいるだけです。もちろん互換性はありません。
右ヘッドサイドカバーこれも機種の差ではなく、年代の違いと思われます。モトラ（右）は中央が出っ張ったタイプです。上記のモンキーのシリンダ−ヘッドではこのタイプが使われているのですが、中央が凹んだタイプ（左）もあるので、モトラにオイルクーラー取り出し口を付けようと思った場合、どちらのタイプに対応した物か注意が要ります。
実は（左）の物はオイルクーラー取り出し口が付いた社外品で、これではモトラに合わないわけです。
ついでに左サイドカバーの注意点。モトラのカムプロケットは３つのボルトで付ける古いタイプです。違うタイプのを付けると裏の出っ張りがボルトに（チョットだけ）干渉する場合があります。ちょっと削れば済む筈ですが。