サビ車-22

61式大型雪上車
Type 61 Large Snow-vehicle
 何気なく山を歩いていて、最初にコイツの後部が少し見えた時、まさか!と思いました。後部の手摺りは雪上車独特の形、そして白いボディ・・・白い雪上車なんて遭難したがるような塗色は自衛隊!?しかも妙にデカイぞ!まさかアレでは!まさか!と。

 それは、多用途の60式3t雪上車とは違い一般の自衛官でさえ馴染みが薄かったと思われる車両であり、雑誌等でも実車の写真を見ることは希で、ネットで検索しても有力情報が全くヒットしない謎の車両であり、生産台数が少なく78式雪上車への更新で全てがスクラップにされたのではないかと危惧していた車両であり・・・。

 私にとっては、ウィーゼルから始まる国内の量産雪上車の歴史の中で、最も現物を観たいが観れそうにない一台と思っていた車両でした。

 ちょっと大げさに書いてるけれど、この興奮。わかるかなぁ。

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 61式大型雪上車は、60式3t雪上車と同時期に自衛隊で採用されたより大型の6t雪上車ですが、実は、60式3tの試作車を作ってみたら105mmりゅう弾砲を牽引できない事が分かり、やっぱり大きいのも作っちゃれ!という場当たり的要求で開発が始まった物らしい。そういや、60式〜61式って防衛庁がイケイケで新車を作りまくっていた時期です。 19年間の配備期間で生産台数は91台というから贅沢な「冬期専用、105mmりゅう弾砲牽引車」でした。
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市販民間型? 多いのか少ないのか91台の採用台数、では、自衛隊以外の役所や民間に新車で売られた「市販型」はあったのでしょうか?
 実はそこがサッパリ分からないのです。雪上車は山奥の変電所や送電線の保守点検用に電力会社が必要としています。この個体も変電所近くで発見したのであるいは?とも思いました。でも、役所や法人企業が所有車両を山中に放置するものだろうか、場所は民有地っぽいし、白い保護色も自衛隊以外は疑問あり。という事で、何らかの形で自衛隊の払い下げがこの地で使われていた可能性が高いでしょう。やはり「市販型」というのは無い気がします。(下に追記)。

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 ところで、60式3tの場合、車体外板は半球状の凸凹がプレスされた(ゴルフボールのディンプルみたいな)不思議な鉄板が使われていました。単なる補強リブとも思えず、何らかの寒冷地対策と推察し、当然、この61式でも採用されていると思い込んでいましたが、61式は普通の平板な鉄板で拍子抜けしました(いったい何なんだアレは)。

 ・・・と書いたところで、実はコレ、白い塗装がやたらに剥がれていますがボディは錆びていません。60式と違いアルミ(?)ボディなのでした!

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 将来、私も含め模型を作ろうとする人がいるかも知れません。簡単な図面はあるのですが、ディテールを調べる事はその時は難しくなっているかもしれません。今、記録しておかなくては。

 ウィーゼル60式3t雪上車も、発見した個体は消えてしまったのだから・・・・。

2008.10.23


L:5340xW:2500xH:2200。本当に大きい。
追記

 現在では面影が殆ど有りませんが、上記個体の有った林の周辺はかつてスキー場だったとのこと。そういえばリフト施設の残骸が下のスクラップ置き場にあったっけ。という事で、この個体はスキー場の持ち物だった可能性が一番高いでしょう。なお09年になって場所が移動していたので今後が少々気になります

 そして右の画像!掲示板に寄せられた情報で、このような状態の良い個体が道東の某所に現存するとの事!雰囲気からみて現役、或いは近年まで実用されていた車両でしょう。驚きです!

 以上、掲示板で情報くださった白い赤べこ様、有り難うございます。


2009.11.21

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