P.G.S トラクター 1/9 プロター                                                                                   
 面白い!
 私は農耕トラクターに、AFVやF−1マシンの様な機能美を感じています。このPGSというトラクターは一見複雑な機構を採用していますが、やはり余計な物は省くというコンセプトははっきり見て取れます。
 写真でも解ると思いますが、ステアリングハンドルの根元あたりで車体自体が「中折れ式」に曲がります。車輪側にはステアリング機構もサスペンションも有りません。
 前車体にあるエンジンからユニバーサルシャフトを通して後車体にある変速機に動力を伝え、そこで変速後の動力をもう一本あるシャフトを通して前車体に戻し、4輪駆動を実現しているようです。足回りは上下にスイングしませんし、車体側も捩れ回転をしそうにないので、不正地では車輪の幾つかが浮いてしまいそうです。・・・という事でデフも無さそうです。
 ・・・以上。「ひとり言」コーナーから流用文章。(手抜き?)とにかく魅力的なメカです。こんなトラクターなら実車が欲しい〜。
 説明書の写真です。私のは1972年製造の印がありました。当時の雰囲気が嬉しい2色刷り。

 いくら小型のトラクターとはいえ、1/9であれば大きなキットです。エッシーの1/9ケッテンクラートよりは大分小さいのですが、大体寸法はイメージして貰えると思います。

 箱の横に小さく実車写真が1枚ある以外は実車資料が有りません。それを見る限り、このキットの完成写真より箱絵の方がフォルムが正確な様です。キットの写真をみると、トラクターの魅力であるタイヤが華奢なのは非常に残念です。・・・もっとも、当時のキットとしては、「その程度しか」気にならないと言うべきでしょう。なにせビッグスケールのトラクターでしかもディスプレイモデルなんて、驚くほど「大人」のキットです。文句を言っちゃあバチが当たります。
 注意。左の黒いパーツはゴム製のシート。これはプラを溶かす材質です。箱を開けてみないとキットのどの部分が熔けているか解らない恐怖が有ります。こればっかりは「運」ですね。購入後作らない場合はビニールに入れときましょう。

 右はビニールに入った小物部品。透明部品やデカール等、手抜かりなく用意されてます。ボンネットの両サイドに付くマークは、金属地肌の美しいシール。昔、「ハリハリ仮面」ってお菓子があって、こんな感じだったなぁ。ちょっとリッチな感じです。
総論
 非常にレアなキット。現在、普通に入手する事は難しいでしょう。1972年当時、幾らで売られていたか知りませんが、現在の感覚なら1万円くらいしたのでは無いでしょうか。舶来品の高級感が無くもないキットです。
 こんなキットが有ったんだ・・・というのが幸運にも最近入手(しかも安く)出来た私の実感。「ちょっと見て欲しい。」という事で紹介しました。
 とにかくメカ好き人間には興味深いキットです。
 

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