RENAULT FT-17 1/15                                                                                       

 アズムット恒例の大物限定キット。コレは500個限定で、バウマン価格で三万数千円しました。
 なお、写真のフィギュアはセットされていません。また、1/15はVPも含めてあまり成功しなかったので、今後このスケールのAFVはあまり新製品を期待出来ないようです。

 キットの出来自体は非常に良い様です。VPのようにレジンの固まりが入っている訳ではないので、「ヒケ」の心配も有りません。ただ、パーツは非常に薄いので製作時にソフビでも作る感覚で補強する必要がありそうです。と言う事でハッチを開けた状態にするのは断念した方が良いと思います。
 車体上部です。
 左がターレットリング。右がエンジンルーム。

 エンジンルームに細長い穴が開いているのが解ります。実は、この中にメッシュがモールドされています。薄ーいバリに埋まった形のレジン製のメッシュなのです!うーん。チャレンジャー。
 こういうパフォーマンスに、技術的な自信というか向上心というか、作り手の「してやったり」が見えて心地良いのです。
 21.5mmX22,5mmのメタル製キャタピラ。
 以前からフランスはあまりメタルの品質が良くないと思っていました。これを見ると偏見じゃなかったと思います。
 レジンと比べると「使えない」パーツです。どれも変形が目立ち、肌が荒れていて、何よりキットの足回り自体このメタルの重量に耐える構造じゃ有りません。

 と、いう事で、マトモな物を選んでレジンで複製する必要がありそうです。「いや。そんなに悪い出来じゃない。」と言う方も有るかと思いますが、全体と比べると劣る出来なのは確かで、何もキャタピラで全体の見栄えを落とす必要も無いだろうと思います。
 このスケールで車体内部も出来ているという事で、スンゴイ再現度を期待してしまいますが、この図を見てのとおりRPMの1/35と大した差が無い構成になっています。まぁ、実車自体大した中身は無いのでしょう。

 操縦席の「背もたれ」は単なるベルトに過ぎないようです。RPMでは解りづらい形状でしたが・・・。ちなみに砲塔には当然のごとく座席は無くて、ブランコ状に垂れ下がったベルトに腰掛ける方式になってます。それ自体は当時、装甲車等で当たり前だったようですが、操縦席の背もたれと同じパーツを垂れ下がった感じに曲げて使えというのは、部品の共用化が感じられてちょっとリアルな感動が有ります。(笑)
 車体裏のボルト類。何かの参考になれば幸いです。(?)

 写真ではとんでしまってますが、外周にはリベットが並んでいます。
 このボルト類、操縦席裏にしかなく、車体後部には全く無いというのは変なので結構イイカゲンっぽいですが、ま、「車体裏なんてどうでもいい。」というのが本音みたいですね。ただ素人ほど、こういうディテールでキットの出来を判断するので、仕方なくやっている感じでしょうか。メーカーは面倒な物ですね。
 意外とあっさり総論
 このキットはスタイルは正確で、ディテールも細かいです。パーツ数は、RPMのインジェクションキットに別売りキャタピラとエッチングを使ってディテールアップした場合より少ないかも。

 ただ、この写真や先の説明書の図を見てわかるようにデカいキットにもかかわらず、パネル全てが薄いレジンで出来ているので、シッカリ補強をしないとマズそうです。ということで、繊細な性格のモデラーより「ストロングスタイル」のモデラーの方が完成する可能性が高そうです。

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